注意点1.つみたてNISA口座を保有する人は新NISAの口座開設手続きは不要

注意点1つ目は、つみたてNISA口座を保有する人は新NISAの口座開設手続きが不要な点です。

つみたてNISA口座があれば、2024年1月から原則自動で新NISAの口座が開設されます。そのため、わざわざ新NISAの口座開設手続きをおこなう必要はありません。

また、つみたてNISAでの積立設定は新NISAに原則引き継がれます。そのため、手続き不要でつみたてNISAでおこなっていた積立内容と同様の投資を新NISA口座で続けることが可能です。

ただし、新NISAで積立金額を増やしたい人は、積立金額の変更設定をおこないましょう。

注意点2.銀行では株式を買えない

注意点2つ目は、銀行では株式を買えないことです。

つみたてNISAでは個別株式への投資ができません。新NISA開始後、つみたて投資枠においてもこのルールに変更はありません。

しかし、新NISA開始後は、個別株式への投資が可能な成長投資枠とつみたて投資枠の併用が可能となります。

つみたて投資枠で毎月一定額を積立投資しながら、成長投資枠で株式の配当金や値上がり益を狙った二刀流の資産運用が可能です。

ただし、銀行では個別株式を取り扱っていないことに加え、つみたて投資枠と成長投資枠を別々の金融機関で利用することができません。そのため、成長投資枠で株式投資を希望する場合には、証券会社でのNISA口座開設が必要です。

現在つみたてNISAの口座を銀行で開設しており、新NISA開始後、併用可能な成長投資枠で株式を購入したい場合には、金融機関の変更を検討してみてください。

なお、金融機関を変更する場合は、変更手続きが必要となります。まずは、現在つみたてNISA口座を開設している金融機関に対して、新NISAの口座を別の金融機関で開設したい旨を伝えましょう。

注意点3.つみたてNISAは新NISA開始後も運用を続けられる

注意点3つ目は、つみたてNISAは新NISA開始後も運用を続けられることです。

つみたてNISAの新規投資は2023年末で終了しますが、2024年以降も運用自体は続けられます。例えば、2023年につみたてNISA口座内で購入した商品は、2042年末まで非課税で運用が可能です。

そのため、新NISA開始に伴ってつみたてNISA口座で保有する商品を焦って売却する必要はありません。投資してから20年以内であれば、いつでも自由に売却可能で、利益は非課税となります。

NISAでどれくらい資産を増やせるのか

新NISAで投資をおこなう予定の人の中には、毎月いくら投資したら将来どれくらいの資産を築けるのか気になる人もいるのではないでしょうか。

毎月の積立金額別にみた、将来の資産額は以下のとおりです。なお、年率3%で運用した場合を前提とします。

【図表2】

出所:金融庁「資産運用シミュレーション」の計算結果をもとに筆者作成