介護や看護で離職した人はどのくらいいるの?

総務省統計局が2013年7月21日に公表した「令和4年就業構造基本調査」から、介護や看護を理由に退職した人の数についても見ていきます。

過去5年間に前職を離職した人のうち、離職理由が「介護・看護」の人数は47万人。5年前の2017年と比較すると2万人減っています。

ただし、離職時期を「調査年の直近1年間」に絞ると10万6000人。グラフのように、5年前に比べ1万人ほど増えているのです。

また「介護・看護」を理由として過去1年間に前職を離職した人の数は、2007年から2017年にかけて減少傾向にありましたが、2017年から2022年にかけては一転して増加しています。

まとめにかえて

2025年は、いわゆる団塊の世代が全て75歳以上の後期高齢者になる年です。介護を必要とするシニアの数は増える一方で、介護業界は慢性的な人材不足と言われます。

同僚や知人がビジネスケアラーという人は珍しくないこのご時世。家族の介護と仕事の両立に悩む人、なかには実際に仕事を離れる決断をした人もいるでしょう。

介護休暇、介護休業一時金など、就労と介護の両立支援する制度の整備が進むいま。

介護される側のシニア世代たちも、デイサービスやショートステイなどを利用しながら、住み慣れた自宅で介護を受ける心構えを持つ人が増えている感があります。

「要介護」は訪れる時を選びません。

介護予備軍のみなさんならば、まずは介護保険や高額介護サービス費などの公的制度には高くアンテナを張っておけると心強いですね。

参考資料

吉沢 良子