はじめに

年末が近づいてきました。今年の仕事をどのように手仕舞いしようかと考えている方もいらっしゃると思います。

ただ、日常の仕事はつまらなく感じてしまうことも多く、ついつい「作業」になりがちです。そこで、今回は仕事をいかに面白くするかを考えてみたいと思います。

仕事がつまらないと思うケースはいくつかに分けられると思います。まず仕事の背景や重要性などが理解できていないこと、次に仕事が自分の能力に関係なく単調であること、さらに仕事が簡単すぎて飽きてしまうということもあるでしょう。

ここでは、そうした3つのケースについて考えてみましょう。

【ケース1】自分が理解できない仕事

誰もが新入社員という立場を経験するものですが、初めて配属されて担当した仕事のことを覚えているでしょうか。

A氏は大学を卒業後、金融機関に入社。就職活動時の希望通り、巨額の資産運用をする部署に配属されました。しかし、希望通りの配属ではあったものの、最初に任された仕事は想像していたものとは大きく異なりました。

A氏が考えていたのは企業を調査して投資をする仕事です。ところが、与えられた仕事は「実績管理」という売買実績や運用実績の管理でした。

実績管理は代々その部署の一番年次の低い社員がする仕事であったわけですが、調査や投資判断を仕事にできると思っていたA氏からすると期待外れだったというわけです。

ただ、投資や運用を経験したことがある人にはすぐに分かると思いますが、実績管理は投資をする際には基礎中の基礎。今の正確な状況を知ることなしに将来の計画を練ることはできません。

A氏は実績管理がつまらないと上司に打ち明けたところ、その点を指摘されたと言います。自分の仕事の意味を理解したA氏は、実績管理をさらに投資や運用で有効なものにするためにはどうすればよいかを考え始めたそうです。

【ケース2】仕事が単調すぎる

「仕事が単調だ」という知り合いがいたら、以前なら「いいじゃん、楽して給料がもらえて」と返していたところですが、いまや何でも自動化の時代。仕事が単調すぎると愚痴を言っている場合でもなくなりました。

つまり、人間としての付加価値を出せないのであれば、下手をすれば機械が人間にとって代わることもあり得るということです。

自分がパートタイマーやアルバイトとして仕事にかかわっているのか、それとも正社員としてかかわっているのかという立場によって違うかもしれませんが、単調な仕事は自動化されるもの、という前提で主体的に立ち回る方が良いでしょう。

自動化されるといっても、その自動化プロセスを管理する人間は必要です。自動化によって機械に仕事を奪われる状況は発生するでしょうが、少なくとも完全に奪われることがないようにすることはできます。

ただ、将来はそうした自動化プロセスも機械が管理する時代が来るかもしれませんが。

【ケース3】仕事が簡単で飽きてしまう

ケース2と似てはいますが、ケース3の場合には飽きているという状況が発生することは生産性にとって良いことではありません。

とはいえ、飽きている余裕があるというのは、前向きにも捉えることができます。それは、自分の仕事の立ち位置、仕事そのものを俯瞰するチャンスがあるとも言えるからです。

「仕事が本当にできる人」は、与えられた仕事を俯瞰して、仕事そのものの意味や意義を知ろうとします。一方「仕事が普通にできる人」は、自分に与えられた仕事を効率的に行おうとします。

これは経営者から見ると非常に大きな差です。経営に関与させたい人間か、それとも従業員として扱いたいだけかの差になるからです。

仕事が簡単すぎて飽きてしまうという状況であれば、経営者にこうしてはどうかと提案してみるのはどうでしょうか。給与はすぐに上がらないかもしれませんが、経営者があなたを見る目はきっと大きく変わるはずです。

まとめにかえて

仕事は一つとして同じものはありませんが、とある経営者が口にした印象深い言葉があります。「その人にしかできないことが仕事」だと。その時以来、自分のしていることは「仕事」なのか、それとも「仕事」ではないのかを意識したものです。

その意味では、本当の「仕事」はいつも楽しいものではないでしょうか。あなたは毎日「仕事」ができていますか。

LIMO編集部