3. 老後に向けて考えること
老後に対して漠然とした不安を抱える方は多いものの、実情としては「あまりわかっていない」ということはないでしょうか。
例えば今回ご紹介したように、「電気・ガス・熱供給・水道業」で働く方は給与水準が高いため、厚生年金も高くなる傾向にあること。
ただし、実際には生涯を通した賃金で決まるために、若い時からそれなりの水準を保っていないと高額受給者にはなれないこと。
そして、実際に月額21万円以上の年金を受給している人はたった10.7%であること。
こうした実情を踏まえた上で、自分がどれくらい老後資金を貯めないといけないのか、その計画性が重要になるのです。
自分自身の年金目安額はねんきんネットやねんきん定期便で確認できます。できるだけ早めに確認し、足りない分の備え方を考えてみましょう。
老後資金を確保する方法はいくつかありますが、基本的には
- 貯金する
- 資産運用する
- 保険でカバーする
- 年金額をあげる
などが選択肢になります。年金をあげるのは簡単ではありませんが、年収をあげたり繰下げ受給をしたりすることが有効です。
4. この秋「年金」について考えよう
年収800万円の方が受け取る厚生年金(国民年金を含む)は月額約21万円となりました。
厚生年金の保険料は上限があるため、一定以上になると年金を上げることが難しくなります。
繰下げ受給なども視野に、老後のお金をどのように確保するのか、一度じっくり考えてみましょう。
参考資料
- 厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 国税庁「令和4年分 民間給与実態統計調査」
- 日本年金機構「令和2年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表(令和5年度版)」
- 日本年金機構「年金の繰下げ受給」
太田 彩子