4. 親の年金だけで入所するなら「公的施設」メリット・デメリットも

年金だけで入居するなら、公的施設が第一の選択肢となります。

ここでは、主な公的施設を4つ紹介していきます。

合わせてメリット・デメリットも見ていきましょう。

4.1 特別養護老人ホーム(特養)

寝たきりや認知症で日常生活の介助が必要な65歳以上(原則、要介護3以上)が対象。24時間体制で介護サービスが受けられる。

特別養護老人ホームのメリット

  • 入居一時金が不要で、月額費用が安く抑えられる
  • 「終の棲家」として終身での利用が可能
  • 低所得者に対する負担軽減制度が利用できる

特別養護老人ホームのデメリット

  • 入居希望者が多いため、待機期間が数年に及ぶこともある
  • 医療依存度の高い人は入居を断られる場合がある

4.2 介護老人保健施設(老健)

病院の退院後など、在宅復帰を目指す65歳以上(要介護1以上)が対象。リハビリや医療ケアが受けられる。

介護老人保健施設のメリット

  • 機能訓練が充実している
  • 要介護1から入居可能

介護老人保健施設のデメリット

  • 入居期間が限定される
  • 生活支援サービスやレクリエーションが少ない

4.3 介護医療院

長期療養が必要な65歳以上(要介護1以上)が対象。医療と介護の両方が受けられる。

介護医療院のメリット

  • 手厚い医療ケアが受けられる
  • リハビリが充実している
  • ターミナルケアに対応している

介護医療院のデメリット

  • 費用が高め
  • 個室が少ない
  • 施設の数が少ない

4.4 ケアハウス

低所得で一人暮らしの高齢者を対象とした施設。生活支援サービスが受けられる。

60歳以上で介護が不要な方が対象の一般型と、65歳以上で要介護1以上の方が対象の介護型がある。

ケアハウスのメリット

  • 所得に応じて利用料が安く抑えられる
  • 原則として個室が利用できる
  • レクリエーションが豊富

ケアハウスのデメリット

 

  • 入居希望者が多いため、待機期間が長い
  • 一般型は介護が必要になると退去を求められる場合がある

5. 【介護施設】年金だけで入居できる施設が見つからない場合は?

「自宅で暮らすことが難しいけれど、年金だけでは入居できる施設が見つからない」

そんな場合は、生活保護費を支給してもらい、施設に入居できる場合もあります。

入居費用の支払いに不安のある方は、自治体の福祉事務所(生活支援担当窓口)やケアマネジャーに相談してみましょう。

参考資料

中谷 ミホ