親の施設入所を考えたとき、心配になるのが「費用」のこと。
「正直、費用の援助は難しい。できれば親の年金だけで入れるところを探したい」と考える方も多いのではないでしょうか?
そこで、今回は、年金だけで入居できる公共高齢施設と施設のメリット・デメリットについて紹介します。
1. 【老齢年金】厚生年金・国民年金の平均受給額
厚生労働省が公表する「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、2021年度末の平均年金月額は以下のように推移しています。
1.1 【厚生年金保険(第1号)受給者】平均年金月額
※国民年金(基礎年金)月額を含む
● 2017年度:14万7051円
● 2018年度:14万5865円
● 2019年度:14万6162円
● 2020年度:14万6145円
● 2021年度:14万5665円
1.2 【国民年金(老齢年金・25年以上)受給者】平均年金月額
● 2017年度 5万5615円
● 2018年度 5万5809円
● 2019年度 5万6049円
● 2020年度 5万6358円
● 2021年度 5万6479円
2. 高齢者施設の入居にかかる費用
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さて、老人ホームに入居する際の費用は、契約時に支払う「初期費用(入居一時金)」と毎月支払う「月額費用」の2種類があります。
そのほかにも食費や医療費、日常生活費などの費用もかかりますので、年金で無理なく費用を支払える施設を選ぶことが大切です。
3. 高齢者施設の費用相場【公的施設・民間施設】タイプ別に確認!
高齢者施設にはさまざまな種類があり、地方公共団体や社会福祉法人が運営する「公的施設」と民間企業が運営する「民間施設」の2種類があります。
代表的な施設は以下の通りです。
3.1 公的施設
- 特別養護老人ホーム
- 介護老人保健施設
- 介護医療院
- ケアハウス
3.2 民間施設
- 介護付き有料老人ホーム
- 住宅型有料老人ホーム
- サービス付き高齢者向け住宅
- グループホーム
3.3 高齢者施設の費用相場「いくらかかりそう?」公的施設&民間施設を種類別に整理
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出所:各種資料をもとに筆者作成
■公的施設■
特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院、ケアハウス
◆特別養護老人ホーム
- 初期費用の相場 0円
- 月額費用の相場 5〜15万円
◆介護老人保健施設
- 初期費用の相場 0円
- 月額費用の相場 8〜14万円
◆介護医療院
- 初期費用の相場 0円
- 月額費用の相場 9〜17万円
◆ケアハウス
- 初期費用の相場 数十万〜数百万円
- 月額費用の相場 10〜30万円
■民間施設■
介護付き有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、グループホーム
◆介護付き有料老人ホーム
- 初期費用の相場 0〜数百万円
- 月額費用の相場 15〜30万円
◆住宅型有料老人ホーム
- 初期費用の相場 0〜数百万円
- 月額費用の相場 15〜30万円
◆サービス付き高齢者向け住宅
- 初期費用の相場 0〜数十万円
- 月額費用の相場 10〜30万円
◆グループホーム
- 初期費用の相場 0〜数十万円
- 月額費用の相場 15〜20万円
上記から、公的施設の方が、民間施設より比較的安い費用で入居できることがわかります。
4. 親の年金だけで入所するなら「公的施設」メリット・デメリットも
年金だけで入居するなら、公的施設が第一の選択肢となります。
ここでは、主な公的施設を4つ紹介していきます。
合わせてメリット・デメリットも見ていきましょう。
4.1 特別養護老人ホーム(特養)
寝たきりや認知症で日常生活の介助が必要な65歳以上(原則、要介護3以上)が対象。24時間体制で介護サービスが受けられる。
特別養護老人ホームのメリット
- 入居一時金が不要で、月額費用が安く抑えられる
- 「終の棲家」として終身での利用が可能
- 低所得者に対する負担軽減制度が利用できる
特別養護老人ホームのデメリット
- 入居希望者が多いため、待機期間が数年に及ぶこともある
- 医療依存度の高い人は入居を断られる場合がある
4.2 介護老人保健施設(老健)
病院の退院後など、在宅復帰を目指す65歳以上(要介護1以上)が対象。リハビリや医療ケアが受けられる。
介護老人保健施設のメリット
- 機能訓練が充実している
- 要介護1から入居可能
介護老人保健施設のデメリット
- 入居期間が限定される
- 生活支援サービスやレクリエーションが少ない
4.3 介護医療院
長期療養が必要な65歳以上(要介護1以上)が対象。医療と介護の両方が受けられる。
介護医療院のメリット
- 手厚い医療ケアが受けられる
- リハビリが充実している
- ターミナルケアに対応している
介護医療院のデメリット
- 費用が高め
- 個室が少ない
- 施設の数が少ない
4.4 ケアハウス
低所得で一人暮らしの高齢者を対象とした施設。生活支援サービスが受けられる。
60歳以上で介護が不要な方が対象の一般型と、65歳以上で要介護1以上の方が対象の介護型がある。
ケアハウスのメリット
- 所得に応じて利用料が安く抑えられる
- 原則として個室が利用できる
- レクリエーションが豊富
ケアハウスのデメリット
- 入居希望者が多いため、待機期間が長い
- 一般型は介護が必要になると退去を求められる場合がある
5. 【介護施設】年金だけで入居できる施設が見つからない場合は?
「自宅で暮らすことが難しいけれど、年金だけでは入居できる施設が見つからない」
そんな場合は、生活保護費を支給してもらい、施設に入居できる場合もあります。
入居費用の支払いに不安のある方は、自治体の福祉事務所(生活支援担当窓口)やケアマネジャーに相談してみましょう。
参考資料
中谷 ミホ