インフレ、円安など、私たちを取り巻く環境がますます厳しくなるなか、真剣に資産運用を検討し始めた方も多いでしょう。
いっぽう、低い賃金やリスクに対する恐怖からいきなり大規模な投資を行うことだけは避けたい。そう考えている方も多いはずです。
そこで本記事では、10万円を元手に投資をスタートするなら何を運用すべきかを解説していきます。
1. 投資初心者は少額投資から始めよう
これから投資を始める初心者の方は、まず少額からスタートするようにしましょう。
投資を始めたての頃は思わぬミスから損失を被ることも少なくありません。
また、知識や経験の乏しさ故に市場で負けてしまうことも多いでしょう。
まずは損をしても痛くない程度の資金から始めてみることをおすすめします。
2. 10万円で投資を始めるなら投資信託がおすすめな理由
初心者の方が10万円ほどの資金で投資を始めるのであれば、運用商品は以下の理由から「投資信託」がおすすめです。
- 少額から始められる
- 分散投資をプロにおまかせできる
投資はさまざまな資産・銘柄を運用することでリスクを低減できます。
このような手法を分散投資といいます。
リスクを減らす方法の一つに分散投資があります。分散投資には、「資産・銘柄」の分散や「地域の分散」などのほか、投資する時間(時期)をずらす「時間(時期)分散」という考え方があります。
出所:金融庁「投資の基本」
<分散投資の例>
- 株だけではなく債券も運用する
- 日本株だけでなく米国株や新興国株にも投資する
- A社だけでなくB社にも投資する
一方で分散投資の実践は決して容易なものではありません。
投資の知識や最新の情報を収集・精査したうえでポートフォリオ(金融商品の組み合わせ)を作らければいけないからです。
また、ポートフォリオは一回作ってそれで終わりではありません。
日々変化する資産の価格や市場の状況に対応するべく、常にアップデートが求められます。
投資信託はこうした専門的な作業を投資初心者に代わって代行してくれる金融商品です。
100円など少額からスタートできるので、10万円もあれば余裕を持って始められるでしょう。
3. 投資信託とは
では、投資信託とは具体的にどのような金融商品なのでしょうか?
ここではより詳しく投資信託の内容を見ていきましょう。
先述の通り、投資信託は投資のプロに資金の運用をおまかせできる金融商品です。
一般社団法人投資信託協会では以下のように定義されています。
「投資信託(ファンド)」とは、一言でいえば「投資家から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する商品で、その運用成果が投資家それぞれの投資額に応じて分配される仕組みの金融商品」です。
出所:投資信託協会「そもそも投資信託とは?」
投資家は運用方針や主要な投資対象がことなる約6000本の商品から好きなファンドを購入できます。(出所:投資信託協会「投資信託の全体像(純資産総額・ファンド本数)直近データのバックナンバー」)。
一方で投資信託には以下の手数料がかかります。
- 購入時手数料:投資信託の購入時にかかる手数料
- 信託報酬:投資信託の保有中にかかる手数料。保有額に対して年率の形で毎日発生する
- 信託財産留保額:投資信託の解約時にかかる手数料
ただし、最近では購入時手数料と信託財産留保額を無料としている投資信託も数多く見られます。
4. 投資信託の始め方
投資信託は証券口座を開設することで購入できます。
証券口座にお金を入金すれば、あとは運用したいファンドを購入するだけです。
購入時よりも高い値段で解約すれば、その差額が利益となります。
ただし、購入時の価格を下回った状態で解約すれば、逆にその差額が損失となります。
5. 10万円で投資を始めるなら検討したい投資信託3選
ここまでで投資信託を始めようと思い立った方もいるでしょう。
そこで本章では、10万円で投資を始めるなら検討したい投資信託3選を紹介します。
投資信託の運用に興味がある方はぜひ参考にしてください。
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
- eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)
- eMAXIS Slim先進国株式インデックス
5.1 eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
期間収益率(過去3年) |
71.2% |
信託報酬率 |
年率0.05775% |
運用できる主な証券会社 |
楽天証券・マネックス証券・SBI証券 |
つみたてNISA対応 |
◯ |
※eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)のマンスリーレポートによる(2023年8月31日現在)
低コストファンドのシリーズで知られるeMAXIS Slimシリーズの投資信託です。
全世界の株式に投資する商品となっています。
全世界の株式に幅広く分散投資をしたい方におすすめです。
「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2022」で1位に輝いた実力派の投資信託となっています。
5.2 eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)
期間収益率(過去3年) |
72.4% |
信託報酬率 |
年率0.05775% |
運用できる主な証券会社 |
楽天証券・マネックス証券・SBI証券 |
つみたてNISA対応 |
◯ |
※eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)のマンスリーレポートによる(2023年8月31日現在)
低コストファンドのシリーズで知られるeMAXIS Slimシリーズの投資信託です。
日本以外の全世界の株式に投資する商品となっています。
すでに日本株を運用している方や日本株以外の全世界の株式に幅広く分散投資をしたい方におすすめです。
5.3 eMAXIS Slim先進国株式インデックス
期間収益率(過去3年) |
79.4% |
信託報酬率 |
年率0.09889% |
運用できる主な証券会社 |
楽天証券・マネックス証券・SBI証券 |
つみたてNISA対応 |
◯ |
※eMAXIS Slim先進国株式インデックスのマンスリーレポートによる(2023年8月31日現在)
低コストファンドのシリーズで知られるeMAXIS Slimシリーズの投資信託です。
先進国の株式市場を投資対象としています。
フランスやイギリスといった先進国はインドや中国などの新興国に比べてローリスク・ローリターンな運用が期待できます。
長期的にリスクの低い安定成長を狙うのであれば、ぜひ検討したい商品です。
6. 投資信託の運用には楽天証券がおすすめ
投資信託を始めるには証券会社をはじめとする金融機関で証券口座を開設しなければいけません。
数多くの金融機関が証券口座を提供していますが、なかでもおすすめなのが「楽天証券」です。
楽天証券は手数料・商品ラインナップ・独自サービスのいずれにも優れたオールラウンダーなネット証券であり、総合口座数は900万を突破しています(2023年4月時点)。
国内株式の取引手数料は現物・信用とも無料(10月2日約定分~)、外国株も米国・中国・ASEANと幅広くカバーしています。
※ASEAN=シンガポール、タイ、マレーシア、インドネシア
投資信託は2602本をラインナップ、つみたてNISA対象商品も195本と業界最多水準です。
さらに、投資信託の「つみたて購入」を楽天カード決済にすることで、最大1%の楽天ポイントが還元されます。
日本経済新聞や日経MJを読めるサービスも展開しているので、日々情報収集しながら投資を進めていきたい方にもおすすめです。
※楽天証券に関するデータは2023年9月28日時点の確認情報に基づきます。
7. 投資信託はNISAを利用して長期で運用しよう
投資信託を運用するのであれば長期の保有を前提としましょう。
頻繁な売買はコストがかさむために利益を目減りさせます。
また、NISAを利用すれば、通常投資の利益にかかる約20%の税負担を免除できます。
現行のつみたてNISAや一般NISA、2024年1月スタートの新NISAを活用することでより効率的な投資に取り組みましょう。
※別途NISA専用口座が必要となります。一部の金融機関では、通常の証券口座と同時に開設を申し込めます(楽天証券など)。
7.1 <現行NISAの概要>
一般NISA |
つみたてNISA |
|
1年間に投資できる金額 |
120万円 |
40万円 |
利益が非課税となる期間 |
5年間 |
20年間 |
投資できる商品 |
上場株式や投資信託など |
金融庁が定めた基準を満たす一定の投資信託 |
投資方法 |
一括購入とつみたて購入の両方可 |
つみたて購入のみ |
対象年齢 |
18歳以上 |
18歳以上 |
※両制度の併用不可
7.2 <新NISAの内容>
成長投資枠(一般NISAの内容を継承) |
つみたて投資枠(つみたてNISAの内容を継承) |
|
1年間に投資できる金額 |
240万円 |
120万円 |
非課税期間 |
無期限 |
無期限 |
投資できる商品 |
上場株式や投資信託など |
金融庁が定めた基準を満たす一定の投資信託 |
投資方法 |
一括購入とつみたて購入の両方可 |
つみたて購入のみ |
対象年齢 |
18歳以上 |
18歳以上 |
※両制度の併用可能
参考資料
- 投資信託協会「そもそも投資信託とは?」
- 投資信託協会「投資信託の全体像(純資産総額・ファンド本数)直近データのバックナンバー」
- 金融庁「つみたてNISAの概要」
- 金融庁「一般NISAの概要」
- 金融庁「新しいNISA」
- 金融庁「投資の基本」
MeChoice編集部
・投資は10万円からでも始められる
・10万円で投資を始めるなら「投資信託」の運用がおすすめ
・投資信託の運用口座は楽天証券がおすすめ