人生100年時代と言われている昨今。今と昔では、老後に対する考え方が大きく変わっているのではないでしょうか。
2023年9月17日に公表された総務省「統計からみた我が国の高齢者」によると、75歳以上人口が初めて2000万人を超え、10人に1人が80歳以上となりました。
さらに、高齢就業者数が19年連続で増加し、912万人と過去最多を記録しています。
退職が65歳になり、延長雇用化が進む中、ゆくゆくは70歳まで働くのが当たり前という未来も訪れそうです。
そんな中で迎える老後生活。70歳代で貯蓄2000万円以上というのは目指せるものなのでしょうか。
1. 「貯蓄2000万円超」の70歳以上世帯はどれほどいる?
総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2022年(令和4年)詳細結果-(二人以上の世帯)」から、70歳以上の貯蓄の平均額や分布をみていきましょう。
1.1 70歳以上の貯蓄現在高(187万4554世帯)
70歳以上世帯の貯蓄現在高を見ると、平均は2411万円という結果になりました。
ただし平均は一部の値に引っ張られる傾向にあるため、分布の様子も確認しましょう。
1.2 70歳以上の貯蓄のようす
- 100万円未満:14万896世帯
- 100万円~:6万4999世帯
- 200万円~:6万426世帯
- 300万円~:6万9205世帯
- 400万円~:6万2104世帯
- 500万円~:7万670世帯
- 600万円~:5万2589世帯
- 700万円~:4万9056世帯
- 800万円~:6万433世帯
- 900万円~:4万6408世帯
- 1000万円~:10万9329世帯
- 1200万円~:8万5755世帯
- 1400万円~:6万9842世帯
- 1600万円~:8万2145世帯
- 1800万円~:5万9305世帯
- 2000万円~:15万265世帯
- 2500万円~:12万1065世帯
- 3000万円~:17万7308世帯
- 4000万円~:33万4754世帯
もっとも多いのが「4000万円超」。幅が広いために属する人が増えるのは当たり前という意見もありますが、それでも4000万円以上というのは「うらやましい」と感じる方がいるのではないでしょうか。
「老後2000万円問題」の「2000万円」をクリアするのは、78万3392世帯。割合にして約42%という結果になりました。
一方で、現在貯蓄高が100万円に満たない世帯は14万8896世帯で約8%です。
貯蓄が少なくでも、年金収入だけでやり繰りできていれば問題はありません。次章では70歳以上が受給する年金額も確認しましょう。