政府は2023年9月26日、物価高への新たな経済対策で、住民税非課税世帯への給付措置を検討すると発表しました。
住民税は、自治体が独自の税率を採用しているので、お住いの自治体によって税額が違うこともあります。
そこで今回は、住民税非課税世帯の要件や、住民税が高い自治体について解説します。
住民税非課税世帯の要件
住民税非課税世帯になるには、住民税の「所得割」と「均等割」が非課税となる要件を、どちらも満たす必要があります。
目安として、以下のケースに該当している場合は住民税非課税世帯になります。
- 生活保護を受けている
- 障害者・未成年者・寡婦又はひとり親で、前年の年収が204万4000円未満(給与所得者)
- 障害者・未成年者・寡婦又はひとり親で、前年中の合計所得金額が135万円以下
ただし、扶養親族がいる場合といない場合では、目安となる収入や所得も異なります。
目安額は、下の一覧表の通りです(※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください)。
自治体によっては、住民税非課税世帯となる要件が異なるケースがあるので、実際に認定要件を満たしているかはお住いの自治体に確認しましょう。
住民税が高くなる理由
地方税法では地方公共団体が税率を定められる項目があるので、地域によっては住民税が高くなります。
総務省が調査した「超過課税の状況」を見ると、2022年4月1日時点において以下の通りです。
2021年度決算における道府県民税では、個人所得割を37団体、所得割が1団体で採用しています。
市町村民税でも、個人所得割は2団体、所得割で1団体実施していました。
では、実際に住民税が高い自治体がどこなのか、それぞれ確認してみましょう。
住民税が高い自治体例3つ
住民税が高い自治体を紹介する前に、基本的な住民税の課税について確認します。
住民税は、以下に記載する「標準税率」が計算の基礎になります。
- 所得割:市町村民税6% 道府県民税4% 合計10%
- 均等割:市町村民税3500円 道府県民税1500円 合計5000円
標準税率に比べて高い税率が設定されている3つの自治体を紹介します。
神奈川県横浜市
横浜市の住民税は、標準税率よりも高く設定されています。
内訳としては、以下の通りです。
- 所得割:市民税8% 県民税2.025% 合計10.025%
- 均等割:市民税4400円 県民税1800円 合計6200円
政令指定都市の横浜市では「横浜みどり税」と「水源環境保全税」が超過課税を採用しています。
兵庫県神戸市
神戸市の住民税は、以下の通りです。
- 所得割:市民税8% 県民税2% 合計10%
- 均等割:市民税3900円 県民税2300円 合計6200円
神戸市では、認知症の人や家族が安心して暮らせるよう「神戸モデル」を実施している関係で、市民税の均等割から400円を負担しています。
また、森林整備と都市緑化をすすめるための「県民緑税」を採用しているため、県民税の所得割から800円を徴収しています。
宮城県仙台市
仙台市の住民税は、以下の通りです。
- 所得割:市民税8% 県民税2% 合計10%
- 均等割:市民税3500円 県民税2700円 合計6200円
仙台市では、神戸市と同じく所得割に標準税率と変わりはありませんでした。
県民税は自然環境の保全などに利用する「みやぎ環境税」を1200円導入しています。
また、復興財源として均等割から個人市民税で500円、個人県民税から500円をそれぞれ徴収しています。
住民税を安く抑える方法
住民税を安く抑える方法として、よく「ふるさと納税」と「iDeCo」の2種類が挙げられています。
ただし、ふるさと納税は節税ではありません。あくまでも税金を前払いするという性質である点を押さえておきましょう。
ふるさと納税では、自治体へ寄付をした場合に自己負担額の2000円を除く全額が所得控除されます。
全額控除される寄附金額は、収入や家族構成等に応じて一定の上限があります。
年収600万円の共働き夫婦で子どもが1人いる場合は、6万9000円が全額控除される納税額の目安です。
寄付額の上限は、年収や世帯構成によって異なるので「寄附金控除額の計算シミュレーション」を活用してください。
iDeCoは、60歳時点の資産形成をする方法の1つです。
掛金の全額が控除される仕組みなので、住民税を抑えるための方法といえるでしょう。
住民税が高く感じたら積極的にふるさと納税やiDeCoを活用しよう
住民税は自治体によって適用される税率が異なります。
そのため、住民税の税率が高い自治体では、他の自治体よりも税負担が重くなります。
とはいえ、住民税の負担が重くなるといっても、比較的少額の範囲です。
一般的に所得が高いと、住民税の負担が重くなります。
住民税が高いと感じたら、積極的にふるさと納税やiDeCoを活用しましょう。
参考資料
- 内閣府「住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金に関するよくあるご質問」
- 港区「住民税(特別区民税・都民税)はどういう場合に非課税になりますか。」
- 総務省「超過課税の状況」
- 横浜市「個人の市民税・県民税について」
- 神戸市「住民税(市県民税)の税額の計算方法」
- 仙台市「個人市県民税について」
- 総務省「ふるさと納税ポータルサイト」
- 内閣府「第12回記者会見要旨:令和5年 会議結果」
川辺 拓也