住民税が高くなる理由
地方税法では地方公共団体が税率を定められる項目があるので、地域によっては住民税が高くなります。
総務省が調査した「超過課税の状況」を見ると、2022年4月1日時点において以下の通りです。
2021年度決算における道府県民税では、個人所得割を37団体、所得割が1団体で採用しています。
市町村民税でも、個人所得割は2団体、所得割で1団体実施していました。
では、実際に住民税が高い自治体がどこなのか、それぞれ確認してみましょう。
住民税が高い自治体例3つ
住民税が高い自治体を紹介する前に、基本的な住民税の課税について確認します。
住民税は、以下に記載する「標準税率」が計算の基礎になります。
- 所得割:市町村民税6% 道府県民税4% 合計10%
- 均等割:市町村民税3500円 道府県民税1500円 合計5000円
標準税率に比べて高い税率が設定されている3つの自治体を紹介します。
神奈川県横浜市
横浜市の住民税は、標準税率よりも高く設定されています。
内訳としては、以下の通りです。
- 所得割:市民税8% 県民税2.025% 合計10.025%
- 均等割:市民税4400円 県民税1800円 合計6200円
政令指定都市の横浜市では「横浜みどり税」と「水源環境保全税」が超過課税を採用しています。
兵庫県神戸市
神戸市の住民税は、以下の通りです。
- 所得割:市民税8% 県民税2% 合計10%
- 均等割:市民税3900円 県民税2300円 合計6200円
神戸市では、認知症の人や家族が安心して暮らせるよう「神戸モデル」を実施している関係で、市民税の均等割から400円を負担しています。
また、森林整備と都市緑化をすすめるための「県民緑税」を採用しているため、県民税の所得割から800円を徴収しています。
宮城県仙台市
仙台市の住民税は、以下の通りです。
- 所得割:市民税8% 県民税2% 合計10%
- 均等割:市民税3500円 県民税2700円 合計6200円
仙台市では、神戸市と同じく所得割に標準税率と変わりはありませんでした。
県民税は自然環境の保全などに利用する「みやぎ環境税」を1200円導入しています。
また、復興財源として均等割から個人市民税で500円、個人県民税から500円をそれぞれ徴収しています。