2023年度の公的年金の支給額は、3年ぶりにアップしています。
公的年金への不安が募るような話題が多い中、支給額アップは本来なら嬉しいニュースでしょう。しかし、物価高騰が続く現状では、喜んでばかりもいられないようです。
公的年金は、偶数月の15日に2ヵ月分が振り込まれます。2023年10月15日は日曜日のため、今月の振込は10月13日金曜日となります。
2023年の公的年金受給額が増加した一方で、10月振込分から「年金の手取り額が減る」人も一定数いるようです。
詳しく見ていきましょう。
1. 「厚生年金・国民年金」額面と手取り額に注意!公的年金から天引きされるお金4つ
意外と見落としがちですが、実は、公的年金(厚生年金や国民年金)にも「額面」と「手取り」があります。
給与明細の「いろいろ引かれているもの」を見て、なんとも複雑な気持ちになったことがある人は少なくないと思います。
これと同じように、シニアが受け取る公的年金からも天引きされるお金があるのです。
ただし、公的年金のうち遺族年金・障害年金は非課税となるため天引きはありません。
これから確認していく天引きされるお金は、老後に受け取る「老齢年金」から天引きされるお金となりますので、ご留意ください。
1.1 年金から天引きされるお金【その1】 個人住民税
前年中の所得に対して住民税が天引きされます。
ただし、老齢年金やその他の所得を含めて一定額に達しない場合には非課税となるため、住民税が天引きされる人とされない人がいます。
1.2 年金から天引きされるお金【その2】 所得税および復興特別所得税
老齢年金やその他の所得が一定額以上になると所得税が天引きされます。
「東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法(平成23年法律117号)」により、所得税を徴収される時に復興特別所得税もかかります。
1.3 年金から天引きされるお金【その3】 介護保険料
40歳から支払い義務が発生する介護保険料は、老齢年金からも天引きされます。
介護保険料は、要介護となり介護サービスを受けるようになっても、一生涯支払う必要がある点にご留意ください。
介護保険料は被保険者が増加したことにより、年々上昇しています。
寿命が延び、少子高齢化が加速する昨今、これからも介護保険料の負担は増加すると考えられます。
1.4 年金から天引きされるお金【その4】 国民健康保険料・後期高齢者医療制度の保険料
国民健康保険や後期高齢者医療制度の保険料も、原則年金からの天引きで納めます。
以上、最大で4つのお金が年金から天引きされます。
※保険料などを天引きではなく口座振替に変更可能な自治体もあります。