ポートフォリオとはなにか
ポートフォリオは運用している資産の組み合わせとその比率を示す構成内容のことです。
一例を紹介すると、国民年金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)では以下のようなポートフォリオを組んでいます。
資産額 (億円) |
構成割合 [4資産] |
構成割合 [債券・株式] |
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国内債券 | 540,291 | 24.47% | 48.76% |
外国債券 | 536,312 | 24.29% | |
国内株式 | 555,049 | 25.14% | 51.24% |
外国株式 | 576,147 | 26.10% | |
合計 | 2,207,799 | 100.00% | 100.00% |
※第1四半期末(2023年6月末)(年金積立金全体)
ところで、一般的に株式と債券は逆の値動きをします(相関係数が高い)。
つまり、一方の資産の価格変動による影響を、もう一方の資産が相殺しようとする関係にあるということです。
そのため、株式と債券を組み合わせることはリスク(価格変動のブレ幅)を低くすることにつながります。
GPIFは株式と債券にほぼ等額で投資することにより、リスクの低い運用を意識していることがわかりますね。
また、投資先を国内と海外に分けることでカントリーリスクのヘッジ(避けること)を意識した構成内容であることも読み取れます。
※カントリーリスク=政治・経済等の状況変化がトリガーとなる価格変動リスクのこと。ケースとして、災害やテロによる特定の株式市場の暴落などが考えられる。
ポートフォリオを意識している人の65%が自力で作成
ポートフォリオの大まかな内容がつかめた所で調査結果に戻りましょう。
同調査では、ポートフォリオを意識しながら資産運用を行っている514人に以下の追加質問を行っています。
「どのようにポートフォリオを組んでいますか?(複数回答可)」
出所:バイアンドホールド「<調査>30~50代の資産運用とポートフォリオに関するアンケート調査 資産運用を行う45パーセントの方がポートフォリオを意識」(PR TIMES)
結果は以下の通りです。
- 自分で組んでいる(65%)
- ネットや本の情報を参考にしながら自分で組んでいる(34%)
- 金融機関や投資のプロの意見を参考にしながら自分で組んでいる(17%)
- 複数の商品や銘柄を組み込んだ投資信託を購入(8%)
- 金融機関の営業担当に依頼(7%)
- 金融機関の投資一任サービスを利用(7%)
- 投資アドバイザーに依頼(6%)
- ロボアドバイザーを利用(6%)
- ポートフォリオを意識しているがまだ組めていない(4%)
- その他(0%)
ポートフォリオを意識している方のうち、65%が自力で組んでいるという結果が出ています。
ただし、ポートフォリオは誰でも組めるものではなく、投資理論や自身、市場の環境等への深い洞察が必要となるでしょう。
では、投資初心者の方がポートフォリオを組んで、分散投資を実施するにはどうすればよいのでしょうか?
その答えが「投資信託」です。
手軽に分散投資するなら投資信託がおすすめ
(ポートフォリオを自力で組むことなく)分散投資による恩恵を受けたいのであれば、投資信託の運用を検討してみましょう。
投資信託はプロに資金運用をおまかせできる金融商品です。
一般社団法人投資信託協会では以下のように定義されています。
「投資信託(ファンド)」とは、一言でいえば「投資家から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する商品で、その運用成果が投資家それぞれの投資額に応じて分配される仕組みの金融商品」です。
出所:投資信託協会「そもそも投資信託とは?」
投資信託ではポートフォリオの作成はもちろん、資産・銘柄の買付や運用管理も投資のプロであるファンドマネージャーにおまかせできます。
投資信託はさまざまな商品が展開されています。
株式など特定の資産を中心に運用を行うファンドもあれば、国内外の株式、債券、不動産投資信託(REIT)などをミックスしたポートフォリオで運用するバランスファンドもあり、さまざまな商品が多様な方針で展開されているのです。
分散投資はリスクのコントロールと低減が期待できる重要な投資手法です。
まずは、投資信託などから始めることで、少しずつ取り組んでいくとよいでしょう。
参考資料
久保田 雅大