皆さんは、自分がどれくらい年金をもらえるか、確認する方法をご存じでしょうか。

多くの方は、毎年送られてくる「ねんきん定期便」を参考にするのではないかと思います。

ですが、ねんきん定期便に書かれている金額通りには年金を受け取れないという現実をご存じでしょうか。

実は、年金からも天引きされるお金があるのです。

ライフプランの相談を受ける際、この事実をお伝えすると、ほとんどの方は、「え？そうなんですか？」と驚かれます。

実際の受給額は「年金振込通知書」で確認しなければ分かりません。

今回は、年金から天引きされるお金についてみていきたいと思います。

1. 「厚生年金と国民年金」日本の公的年金制度の仕組みをおさらい

日本の公的年金制度は「厚生年金」と「国民年金」による2階建て構造です。

下の図を見ていただくとイメージしやすいでしょう。

出所：日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 被保険者のしおり」（令和5年4月）、厚生労働省「日本の公的年金は『2階建て』」をもとに、LIMO編集部作成

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国民年金と厚生年金は、加入対象や保険料、年金額などが異なりますので、それぞれ確認していきましょう。

1.1 国民年金

  • 加入対象：原則として日本に住む20歳から60歳未満の方
  • 保険料：一律（年度ごとに見直し）2023年度は月額1万6520円
  • 年金額：納付期間によって決定。2023年度の満額は月額6万6250円（67歳以下の場合）

国民年金は第1号～第3号被保険者に分類されます。

このうち自営業者などの第1号被保険者は、ご自身で保険料を納付します。

第2号被保険者は、国民年金に上乗せして加入する厚生年金制度により負担するため、厚生年金保険料のみ給与天引きにて納付します。

第3号被保険者は、第2号被保険者が加入する厚生年金制度により負担するため、ご自身で国民年金保険料を納める必要はありません。

1.2 厚生年金

  • 加入対象：主に会社員、公務員など
  • 保険料：報酬比例制
  • 年金額：加入期間や納付保険料により決定

厚生年金の保険料は、厚生年金加入期間中の給与や賞与などにより決定します。

老後に受給する年金はこの保険料と年金加入期間により決定し、国民年金（老齢基礎年金）に上乗せして支給されます。