10月は各社で内定式が行われ、ニュースでも就職率の話題が取り上げられる機会が増える時期です

内定式では内々定の学生が入社承諾書を提出し、これにて入社意思の最終決定となります。

就職を希望する高校3年生や大学4年生の就職内定率もメディアで大々的に報道される一方で、就職活動ではどの企業やどの職種が高年収かという話題も関心を集めるテーマです。

そこで今回は、学歴が与える生涯年収差から大学卒業の学費を本当に回収できるのかを考えていきます。

大卒と高卒、そして性別による生涯年収差

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バブル崩壊後の氷河期世代やリーマンショック後の雇用の冷え込みなど学生の就職活動はその時の景気の動向に大きく左右されます。

学生の内定率は日本の景気の目安の一つでもあり、注目度も高い指標です。その一方で、生涯年収も就職先を考える際に重視すべきデータであり、「大卒の方が高い」というのが定説になっています。

独立行政法人労働政策研究・研修機構が2023年1月に発表した「ユースフル労働統計2022」によると、学歴と性別の生涯年収の平均は以下の通りです。

※60歳で退職するまでフルタイムの正社員を続ける場合(退職金は含まず)

大学・大学院卒

  • 男性 2億6190万円
  • 女性 2億240万円

高専・短大卒

  • 男性 2億960万円
  • 女性 1億7250万円

高校卒

  • 男性 2億500万円
  • 女性 1億4960万円

中学卒

  • 男性 1億9400万円
  • 女性 1億4610万円

明らかに男女ともに「大学・大学院卒」の生涯年収が多いのですが、全ての学歴で男性の方が多いという傾向もはっきり出ています。

性別による年収格差、つまりは賃金格差の是正は国も「女性版骨太の方針2022」を公表しており、今後は縮小することが期待されています。