止まらぬ物価高騰が多くの世帯の家計を直撃するこんにち。その中でも「ガソリン代」がいま話題になっています。

9月末に期限を迎えるガソリン補助金(正式名称「燃料油価格激変緩和補助金」)については2023年末まで延長されることになりました。とはいえ、依然として高いまま。日頃から車を使う方にとっては痛い出費です。

特に老後の生活を年金に頼っている人にとってはつらいところ。今後も物価が上がる可能性があると考えるとその分の家計を見直すことも必要かもしれませんね。

ではこれから老後を迎えられる方のためにも、どれくらい年金が受け取ることができて、年金だけで生活ができるのかを今回は見ていきましょう。

1. 「厚生年金&基礎年金(国民年金)」公的年金制度は2階建て

さいしょに、公的年金制度のしくみについて整理しておきましょう。

日本の公的年金制度では「基礎年金(国民年金)」と「厚生年金」の2種類が存在します。

図のとおり、公的年金は基礎年金と厚生年金の「2階建て構造」となっており、現役時代の働き方に応じて、加入する年金の種類が変わってきます。

基礎年金と厚生年金のそれぞれの違いは下記のとおりです。

出所:日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」を参考にLIMO編集部作成

1階部分にあたる基礎年金は、20歳になると自動的に加入となります。そして、加入期間と納付月数が同じ場合は、加入者全員同じ額の老齢基礎年金が支給されます。

一方、厚生年金の場合は、加入期間や収入によって受給額が異なります。たとえ同じ加入期間であっても、実際に受け取る老齢厚生年金額に差が出ます。

ご自身の将来の年金がどのくらいになるかを詳しく知りたいときは、「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確認してみましょう。

注意しておきたいのは、上記に掲載されている数字はいわゆる「額面」である点。その金額から税金や社会保険料が差し引かれた状態で振り込まれる点はぜひ知っておきましょう。

公的年金には、老齢年金のほか「障害年金」「遺族年金」もありますが、本記事では老齢年金にフォーカスして整理していきます。