岸田首相は、2023年9月1日に開かれた「日経リスキリングサミット」において、個人への給付を充実させると発言しました。

今後は、リスキリングを通した労働市場の改革が年齢を問わず進んでいく見通しです。

一方で、組織内の新陳代謝を活発化や若手社員の育成をすすめる目的で導入されている「役職定年」によって待遇が悪くなり、社内で憂き目にあう管理職も見受けられます。

今回は、課長などの管理職世代が役職定年をむかえた場合の、年収実態について解説します。

役職定年を導入している企業の割合

人事院が2018年9月28日に公表した「民間企業の勤務条件制度等調査」によると、役職定年を導入している企業は23.8%でした(一覧表参照)。

従業員規模が500人以上の企業においては、36.6%が導入しているので、一般的に大企業とされている企業が導入している割合が高いといえます。

役職定年を導入する背景は「若手社員におけるキャリアアップの早期達成」が目的なので、若手社員が多い企業ほど導入の必要性が高いといえるでしょう。

また、役職定年における年齢は、部長職と課長職いずれも「55歳」が最も高い割合となりました。

企業規模別にみても、いずれも55歳と定めている割合が最も高くなりました。

そのため、役職定年を導入している企業の管理職は、55歳以降の収入が減少する可能性が高いといえるでしょう。

では、実際に役職定年をむかえる前後で、いくら収入の水準が変わるのか解説します。