注文住宅を建てる際には、土地選びやどんな間取り・仕様・住宅性能にするのかを決めると共に、施工会社の選定が非常に重要になります。

住まいに対する要望や予算などにあわせて、依頼先を慎重に選ぶことが満足度の高い住宅を建てる上では不可欠といえるでしょう。

そして最適な依頼先を選ぶ際には、施工業者に対する情報収集が欠かせません。

国土交通省住宅局が公表した「令和4年度 住宅市場動向調査報告書」によれば、全国の注文住宅取得世帯における施工者に関する情報収集方法は「住宅展示場で」が47.2%で最も多く、次いで「インターネットで」が41.6%で続いています。

特に2021年度以降、インターネットを情報収集の手段とする方の割合が増えているようです。

注文住宅を建てる際の依頼先には、ハウスメーカーや工務店のほかに建築設計事務所などがありますが、一般的にはハウスメーカーまたは工務店のいずれかを選択することが多くなっています。

ハウスメーカーとは「自前の生産設備を持ち、工業化または建築資材の一部を規格化することによって注文住宅の大量生産を全国規模で展開している会社」のことをいい、工務店とはハウスメーカーよりも狭い施工エリアで住宅工事を請け負う業者のことを指します。

そこで本記事では、実際にハウスメーカーで注文住宅を建てた夫婦の体験談をもとに、良かった点と後悔した点を紹介したいと思います。

【体験談】ハウスメーカーで注文住宅を建てて「良かった点」

この体験談は、ハウスメーカーで4700万円の鉄骨造の注文住宅を建てた、30歳代の夫婦へのインタビューをもとにしています。

まずは「良かった」と感じたポイントからご紹介します。

ハウスメーカーで良かった点1:標準仕様の上吊りの引き戸に満足

「標準仕様の建具でも十分に高級感があり、特に上吊りの引き戸は使いやすくて大満足でした」

一般的な引き戸では上下にレールがありますが、上吊り引き戸には下側にレールがないので、溝や段差が生じません。

ハウスメーカーでは建具や建材なども自社で商品開発していることが多いので、特に自分から細かな要望まで伝えなくても、使い勝手の良い商品を採用してもらうことができます。

ハウスメーカーで良かった点2:相談窓口が一つに集約されている

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「注文住宅を建ててから4年後に子供が壁紙を破いてしまったのでコールセンターに相談したら、担当者が近くに来たついでに無料で補修してくれました。

ほかにも、設備や建具などについてわからないことがあった時の相談窓口が一つに集約されているので、自分で取り扱い説明書やホームページなどで調べなくても、とりあえず相談すれば解決してもらえます」

ハウスメーカーでは、アフターメンテナンスの体制や保証制度が整っていることが多く、引き渡し終了後にも電話1本で迅速に対応してもらうことが可能です。

また法で定められた保証期間よりも長期の保証期間を設けている企業が多く、永続性が期待できるハウスメーカーならではのメリットといえます。

ハウスメーカーで良かった点3:モデルハウスで事前に確認できた

「注文住宅は完成後の様子がわからないことが不安でしたが、各地にモデルハウスがあったため事前に確認することができました。

特に図面ではわからなかった階段の高さも、実際にモデルハウスで確認したら勾配が急すぎたので、事前に設計変更してもらうことができました」

図面だけを見ても、一般の方にはチェックできないことがたくさんあります。

ハウスメーカーには住宅展示場のモデルハウスをはじめ、商品カタログ、施工実例集等のパンフレット、現物見本などが豊富にあるので、住まいの完成形をイメージしやすいというメリットがあります。

ハウスメーカーで良かった点4:地鎮祭・上棟式の準備が楽だった

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「住宅を建てる際には地鎮祭・上棟式の準備や現場近隣への挨拶回り等があるので、工務店で家を建てた友人はその都度仕事を休んで大変そうでした。

我が家の場合は、ハウスメーカーがすべてリードして準備してくれました。もちろんその分の費用は上乗せされていると思いますが、慣習を知らない土地に家を建てたので非常に助かりました」

地鎮祭や上棟式などの式典の準備や工事着工前の近隣挨拶などは、非常に手間がかかるので建築主にとっては大きな負担になります。

しかし、ハウスメーカーにその全てを任せることが可能です。

地元の工務店でもこのようなサービスに対応してくれることもあるので、不安な方は事前に確認してみるといいでしょう。

【体験談】ハウスメーカーで注文住宅を建てて「後悔した点」

反対に、「工務店の方が良かったかな」と思う点もあるそうです。順に見ていきましょう。

ハウスメーカーで後悔した点1:工務店の方が安い可能性があった

「友人同士でも建築費のことまでは話さないので、価格相場のことまではわかりませんが、やはり地域密着の工務店の方が安い可能性があったと思います」

ハウスメーカーの工事請負代金の総額には、モデルハウスの建設費や維持管理費、広告宣伝費、多数いる営業マンの人件費などがすべて含まれています。

またセミオーダー住宅の場合は、プラン外の変更を希望すると高額な追加変更工事代金がかかってしまうこともあります。

そのためハウスメーカーの方が、総額では割高になってしまう傾向があるといえます。

ハウスメーカーで後悔した点2:標準仕様が決まっていた

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「あらかじめ標準仕様が決まっているので、キッチンとユニットバスを別のメーカーの商品に変更したり、ユニットバスの棚やミラーを取り外したりすることができませんでした。

またインスタグラム等で紹介されている『掃除のしやすい家』を実現したかったのですが、できなくて後悔しました」

ハウスメーカーでは備品の量産体制が確立されており、それによって比較的品質の高い住宅設備機器や建材などを安価で供給しています。

したがって注文住宅といっても、使用する住宅設備機器や建材等に制約を受けることがあります。

ハウスメーカーor工務店「メリットとデメリット」を理解しておこう

ハウスメーカーが建てる注文住宅は、工業化と大量生産を行うことで価格を抑えているため、あらかじめより多くの人が好むであろうと思われる仕様を「標準仕様」に設定しています。

したがって、注文住宅とはいっても「標準仕様」から大きく外れてしまうと価格が高額になり、場合によっては対応できなくなってしまうことがあります。

また狭小地や旗竿地などの変形地、高低差が著しい敷地などでは工務店で対応できても、ハウスメーカーの場合には対応が困難で、メリットが発揮されなくなってしまうことが多いので注意が必要です。

参考資料