海外旅行保険で病気やケガの医療費に備える
解説してきたように、海外旅行中に現地で支払った医療費は海外療養費で補償を受けることができますが、補償される金額が一部であることや、すべての診察・治療が対象ではないなど、十分な補償とはいえないのが実状です。
そこで、より万全な補償をつけるには海外旅行保険への加入を検討されるといいでしょう。
海外旅行保険には、「キャッシュレス・メディカルサービス」が付帯されているものがあり、海外の病院で治療を受けた場合、医療費を自己負担することなく治療を受けることができます。
医療費は、保険会社から病院へ直接支払われる仕組みです。
また、海外で病院を受診したくてもどのように受診すれば良いのか、また、どの病院を受診すれば良いのかわからないときなどに、24時間365日、日本語対応のサポートセンターに問い合わせると必要な情報を提供してくれるものもあります。
もちろん、キャッシュレス・メディカルサービス対応の病院を紹介してもらうことも可能です。
なお、海外旅行保険から治療費の補償を受けても、基本的に海外療養費は減額されずに支給されます。つまり、併用可能なのでそれぞれの補償内容をしっかりと押さえて活用しましょう。
海外療養費にプラスして海外旅行保険の検討も
海外旅行など海外の病院で支払った医療費は、日本の「海外療養費」で補償を受けることができます。
しかし、補償対象が限られていることや全額が戻ってこないケースもあることなど、十分な補償とはいえません。
日本では元気な方でも、海外でいつもと違う環境下にあると体調を崩すことも考えられます。万全な補償を得るには、海外療養費にプラスして海外旅行保険に加入すると安心でしょう。
参考資料
- 全国健康保険協会「海外で急な病気にかかって治療を受けたとき | こんな時に健保」
- けんぽれん[健康保険組合連合会]「海外療養費|知って得する!?健康保険」
- 小松市「海外へ渡航中に診療を受けたとき(海外療養費)」
木内 菜穂子