2. 厚生年金月額「多い都道府県」「少ない都道府県」のベスト5はどこ?
厚生労働省の同資料より、「厚生年金の受給額」を都道府県別に見ていきます。
2.1 厚生年金の平均年金月額が多い都道府県ベスト5
- 神奈川県:16万5321円
- 千葉県:16万17円
- 東京都:15万8661円
- 奈良県:15万7601円
- 埼玉県:15万6319円
2.2 厚生年金の平均年金月額が少ない都道府県ベスト5
- 青森県:12万2111円
- 秋田県:12万2914円
- 宮崎県:12万3220円
- 沖縄県:12万3755円
- 山形県:12万4517円
1位は神奈川県で16万5321円、47位は青森県で12万2111円。両者を比べると、月額4万円以上の差があります。
年間で50万円以上と考えると、大きな差に思えます。
とはいえ、居住地で年金額が決まるわけではありません。「年金がたくさんほしいから神奈川県に引っ越そう」というのは無意味です。
では、なぜ厚生年金額にここまで差がでるのでしょうか。
3. 都道府県で厚生年金の平均額に差が出る理由
厚生年金の受給額というのは、現役時代の賃金や加入期間で決まります。多く稼いだ人、長く会社に勤めた人ほど、年金額が増えるというしくみです。
- 賃金の水準は都道府県によって差がある
- 自営業率は都道府県によって違う
- 共働き率は都道府県によって違う
こうした実態があるからこそ、結果的に年金額に影響が出ていると考えられます。
ただし、都市部の方が賃金が高いために年金額も高い傾向にはありますが、その分生活費がかさむことも考えられます。
一概に「年金の平均額が高いから老後生活は楽」とも言い切れないでしょう。
重要なのは、「年金額は個人差が大きい」という点を知った上で、自分自身の年金額にまず興味を持つことです。
4. 国民年金の月額でも都道府県の差があるのか
現役時代の報酬や加入期間で受給額に差が出る厚生年金。では、国民年金の場合も都道府県による差があるのでしょうか。
国民年金には20歳~60歳未満のすべての方が原則として加入し、一律の保険料を納めます。そのため、未納や免除期間がない場合は同じ水準の老齢基礎年金が受け取れることになります。
厚生労働省の同資料によると、全体平均の月額は5万6368円で、ボリュームソーンは6万円~7万円となっています。
では都道府県別に見てみましょう。
4.1 都道府県別「老齢基礎年金」の平均年金月額
- 北海道:5万5509円
- 青森県:5万3933円
- 岩手県:5万7407円
- 宮城県:5万6278円
- 秋田県:5万5824円
- 山形県:5万7453円
- 福島県:5万6653円
- 茨城県:5万6228円
- 栃木県:5万6380円
- 群馬県:5万7496円
- 埼玉県:5万5990円
- 千葉県:5万6332円
- 東京都:5万5381円
- 神奈川県:5万6391円
- 新潟県:5万8725円
- 富山県:6万34円
- 石川県:5万8997円
- 福井県:5万9339円
- 山梨県:5万6077円
- 長野県:5万9050円
- 岐阜県:5万8304円
- 静岡県:5万8168円
- 愛知県:5万7077円
- 三重県:5万8493円
- 滋賀県:5万8244円
- 京都府:5万5395円
- 大阪府:5万4335円
- 兵庫県:5万6279円
- 奈良県:5万6010円
- 和歌山県:5万4794円
- 鳥取県:5万8585円
- 島根県:5万9276円
- 岡山県:5万8836円
- 広島県:5万8184円
- 山口県:5万8278円
- 徳島県:5万5886円
- 香川県:5万8950円
- 愛媛県:5万6861円
- 高知県:5万5129円
- 福岡県:5万5472円
- 佐賀県:5万8158円
- 長崎県:5万5618円
- 熊本県:5万6918円
- 大分県:5万5448円
- 宮崎県:5万6469円
- 鹿児島県:5万6789円
- 沖縄県:5万2112円
国民年金においてはどの都道府県もあまり差がなく、受給金額は概ね5~6万円の範囲でおさまっています。
個人差や地域差は、厚生年金ほど出ないと考えられます。