日本の公的保障制度の一つである年金ですが、基本的には65歳から支給が始まります。
受給年齢など基本的な情報はご存知の方も多いですが、細かな仕組もたくさん準備されています。
例えば年金生活者を支援してくれる「年金生活者支援給付」をご存知でしょうか?年金収入が一定以下の場合に支給される給付金ですが、2023年からは増額されています。
物価高が続く現状では援助額が増額されることは喜ぶべきことです。このような細かな制度も用意されているため、年金について知識を深めておくことは重要です。
そこで今回は公的年金制度について考察を行い、老後の金銭事情を深堀りしていきます。
1. 年金生活者支援給付金とは?2023年度は増額に
年金生活者支援給付金とは、公的年金等の所得が低いために経済的な支援を必要としている人に対し、支給される給付金です。
2019年10月に導入された比較的新しい制度であり、基準額は毎年改定されています。
2023年度には基準額が2.5%増額されましたが、その金額が気になるという方もいるでしょう。
1.1 生活者支援給付金の基準額
- 老齢年金生活者支援給付金:5140円
- 障害年金生活者支援給付金:1級は6425円、2級は5140円
- 遺族年金生活者支援給付金:5140円
生活者支援給付金には、受給している年金に合わせて「老齢年金生活者支援給付金」「障害年金生活者支援給付金」「遺族年金生活者支援給付金」があります。
上記のとおり、それぞれ2022度より2.5%の増額となりました。
ただし、「老齢年金生活者支援給付金」の金額は納付状況に応じて決まるため、一律で5140円というわけではありません。詳しく見ていきましょう。
執筆者
ファイナンシャルアドバイザー/ファイナンシャルプランナー/MDRT日本会会員
立命館アジア太平洋大学卒業後、自動車や通信業界にて営業職に従事。その後、ジブラルタ生命保険、株式会社ほけんのぜんぶに入社し、生命保険販売業務に携わる。生活全般に関わるお金の相談に対応が可能で、特に教育費・老後資金の準備、相続の相談などを得意とする。現在は個人向け資産運用のサポート業務をおこなう。表彰歴多数。2020年、2021年度MDRT日本会会員。AFP(Affiliated Financial Planner)、一種外務員資格(証券外務員一種)を保有。
監修者
株式会社ナビゲータープラットフォーム メディア編集本部
LIMO編集部記者/編集者/元公務員
京都教育大学卒業。くらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」のLIMO編集部で、厚生労働省管轄の公的年金制度や貯蓄、社会保障、退職金など、金融の情報を中心に執筆中。大学卒業後は教育関連企業での営業職を経て、2010年に地方自治体の公務員として入職。「国民健康保険」「後期高齢者医療制度」「福祉医療」等の業務に従事した。主に国民健康保険料の賦課、保険料徴収、高額療養費制度などの給付、国民年金や国民健康保険への資格切り替え、補助金申請等の業務を担う。特に退職に伴う年金や保険の切り替えでは、手続きがもれることで不利益を被ることがないよう丁寧な窓口対応を心がけた。その後、保険代理店にてマーケティング業務に従事。保険料比較サイトの立ち上げに参加した。乗合保険会社の商品ページだけでなく、保険の知識を普及するためのページ作成にも参加。小学校教諭一種免許、幼稚園教諭一種免許、特別支援学校一種免許取得。
はたらく世代のお金の診断・相談サービスを行うマネイロでは、「【計算例付】厚生年金保険料はどのように決まる?ケース別算出方法や受給額を解説」など、お金や年金制度にまつわる記事を発信中。京都府出身。(2024年3月18日更新)