4. 年金から税金や保険料はどのくらい天引きされる?

前章では、公的年金から「所得税と復興特別所得税」「個人住民税」「介護保険料額」「後期高齢者医療保険料、国民健康保険料」が天引きされていることがわかりました。

では、上記はどのくらい天引きされ、最終的な手取り額(可処分所得)はどのくらいになるのでしょうか。

天引きされる金額は、各世帯の家族構成や所得額、居住地によって異なりますが、参考までに総務省の「家計調査報告 家計収支編 2022年(令和4年)平均結果の概要」によると、65歳以上の夫婦・単身それぞれの無職世帯の家計収支は下記のようになっています。

1人当たり天引きされる税金や保険料は1万2000円から1万5000円ほどとなっており、年金の額面の約10%は天引きされてしまっていることがわかります。

上記を参考に、老後生活で使えるお金のシミュレーションは、実際の手取り額を想定して考える必要があるとうかがえます。

5. 年金から税金や保険料が天引きされないケースも

本記事では、年金から天引きされるお金(税金・保険料)について、詳しく解説していきました。

老後生活に突入しても、現役時代と同様に年金から税金や保険料が天引きされ、その額は額面の約10%前後となっています。

しかし、中には税金や保険料が天引きされないケースもあるため、「天引きされない条件」についても一度確認しておけると良いでしょう。

とはいえ、天引きされない条件の多くが「所得が低い」といった事由になります。

また天引き対象にならなくても、口座引き落としで納付する必要があるケースもあるため、いずれにせよ老後の備えは必要になりそうです。

年金から天引きされるお金を知って、実際の手取り額を把握したうえで、老後の備えを今のうちからしておくようにしましょう。

参考資料

太田 彩子