3.4 厚生年金(90歳以上)の平均年金月額
※国民年金(基礎年金)の月額を含みます。
65歳未満の受給額がやはり少ないです。特別支給の老齢厚生年金の定額部分の支給開始年齢が引き上げられたことにより、報酬比例部分のみとなっていることも要因のひとつです。
厚生年金の場合、年代による受給額の差は顕著に見られます。とはいえ、何歳だから年金はいくら、というように年齢で金額が決まるわけではありません。
その時の情勢により、年金額が改定されている背景があるのです。
4. 年金額は毎年改定。10月に手取りが変わる人も
年齢によって年金額が変わる理由の一つに、年金額の改定があります。
例えば2023年度は、3年ぶりの増額改定となりました。年金は現役世代の賃金や物価などに基づいて改定されるため、1月の改定発表には毎年注目が集まっています。
ただし、今年は満を持しての増額改定となったものの、物価上昇率のほうが年金増額率よりも高い結果になりました。そのため、実質的には目減りとなります。
また年金からは税金や保険料が天引きされるため、手取り額はもっと少ないことには注意しましょう。
さらに10月は天引き額の改定が行われるため、手取り額が変わる可能性が高いです。こうしたことも念頭に、老後の計画を立てておけるといいですね。
5. 老後に向けてコツコツと準備しよう
国民年金・厚生年金の受給額を「年齢別」に見ていきました。安心できる老後は得られそうでしょうか。
国が準備してくれる年金だけではなく、自分でプラスアルファを準備していた方が、物価変動がきても安心した将来が築けるのではないでしょうか。
老後が来てしまってから収入を増やすために仕事を始めるのは体力的にきついと思います。今の所得の一部を貯蓄に回すことで、幸せな老後のための準備を始めることが重要だと気付ける、第一歩になればと思います。
参考資料
足立 祐一
執筆者
兵庫県芦屋市出身。同志社香里高校・同志社大学政策学部卒業後、損保ジャパン日本興亜(旧日本興亜損保)へ入社。保険代理店への保険商品案内営業に従事。その後、実際に窓口でお客様へ提案したいとの思いから東京スター銀行のリテール営業へ転身。2011年より現在までファイナンシャルアドバイザーとして個人のお金の悩みを解決してきた。2012年より個人販売の全行員内ランキングでは9年間で10位以内から一度も落ちることなく、2014年2位 2019年3位 2020年1位 2021年2位と安定して好成績をおさめた。また周囲への育成にも力を入れており、2014年以降8年連続で途中2度の転勤もありながら、所属支店の成績を31店舗中1位にしてきた。現在は個人向け資産運用会社にて、資産運用のサポート業務をおこなう。一種外務員資格(証券外務員一種)、生命保険販売資格、損害保険販売資格、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)を保有。
監修者
株式会社モニクルリサーチ メディア編集本部
LIMO編集部記者/編集者/元公務員
京都教育大学卒業。株式会社モニクルリサーチが運営する、くらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」のLIMO編集部において、厚生労働省管轄の公的年金制度や貯蓄、社会保障、退職金など、金融の情報を中心に執筆中。大学卒業後は教育関連企業での営業職を経て、2010年に地方自治体の公務員として入職。「国民健康保険」「後期高齢者医療制度」「福祉医療」等の業務に従事した。主に国民健康保険料の賦課、保険料徴収、高額療養費制度などの給付、国民年金や国民健康保険への資格切り替え、補助金申請等の業務を担う。特に退職に伴う年金や保険の切り替えでは、手続きがもれることで不利益を被ることがないよう丁寧な窓口対応を心がけた。その後、保険代理店にてマーケティング業務に従事。保険料比較サイトの立ち上げに参加した。乗合保険会社の商品ページだけでなく、保険の知識を普及するためのページ作成にも参加。ニ種外務員資格(証券外務員ニ種)保有。小学校教諭一種免許、幼稚園教諭一種免許、特別支援学校一種免許取得。
はたらく世代のお金の診断・相談サービスを行うマネイロでは、「【計算例付】厚生年金保険料はどのように決まる?ケース別算出方法や受給額を解説」など、お金や年金制度にまつわる記事を発信中。京都府出身。(2024年9月4日更新)