3. 共働きと専業主婦の割合
前述したとおり、現代では子育て中のママでも働きやすい環境になりつつあることから、共働き世帯が増えつつあります。
厚生労働省の「令和5年版厚生労働白書」によると、1980年では専業主婦世帯が「1114万世帯」であるのに対し、共働き世帯は「614万世帯」でした。
しかし、2022年にはその割合が逆転し、専業主婦世帯は「539万世帯」であるのに対し、共働き世帯は「1262万世帯」となっています。
専業主婦世帯の割合はこの40年で激減しており、現代では専業主婦という生き方が少数になりつつあるのがうかがえます。
一方で、夫婦ともに働く「共働き世帯」の割合は年々上昇傾向にあり、今や共働き世帯のほうが一般的になってきています。
4. 働き方で変わる年金額
本記事では、「専業主婦」と「共働きをしている女性」が老後に受け取れる年金受給額について詳しく紹介していきました。
一昔前までは、専業主婦の割合が圧倒的に多かったものの、現代では専業主婦の割合が激減し、共働き世帯が急増しています。
年金制度の改正により、2022年から厚生年金の適用拡大がされたことで、短時間労働のパート主婦でも厚生年金に加入がしやすくなりました。
このことから、今後はますます専業主婦世帯よりも共働き世帯のほうが、老後の面で安心感が高くなるうかがえます。
とはいえ、老後の年金だけのために働き方を考えることは現実的ではありません。実際には家庭ごとの事情により、働き方は多様となるでしょう。
もし「子どもの出産を機に専業主婦になるか、共働きするか」で悩んでいる方は、老後についても検討材料にすることをおすすめします。
参考資料
- 厚生労働省「令和5年版厚生労働白書」
- 日本年金機構「令和4年10月からの短時間労働者の適用拡大・育児休業等期間中の社会保険料免除要件の見直し等について」
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 厚生労働省 令和5年度の年金額改定についてお知らせします
- 厚生労働省年金局 令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況
太田 彩子