2. 専業主婦と共働きで働く女性の年金受給額はいくら?

本章では、専業主婦と共働きで働く女性(厚生年金保険の適用対象)が受け取れる老後の年金種類について詳しく解説していきます。

厚生労働省の「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、国民年金の平均受給額は下記のとおりです。

男女全体の平均年金月額は「5万6368円」で、女性の平均年金月額は「5万4346円」となっています。

専業主婦の場合は、老後に受け取れる年金月額は「約5万円前後」となり、年金生活だけで老後生活をしていくにはやや心もとない金額といえます。

では、同様に厚生年金の平均受給額をみていきましょう。

厚生労働省の同資料では、厚生年金(国民年金の年金月額を含む)の平均受給額は下記の結果となりました。

男女全体の平均年金月額は「14万3965円」で、女性の平均年金月額は「10万4686円」となっています。

共働きで働く女性で一定の条件を満たした場合は、厚生年金保険の適用対象となり、令和4年から6年にかけて、今後適用となる対象者は拡大していくため多くのパート主婦が厚生年金加入者になるでしょう。

年金月額で比較すると、専業主婦と、厚生年金に加入した場合の共働き世帯の女性とでは、約2倍もの差が生じていることがわかります。

2.1 パターン別に夫婦で受け取れる年金額を確認

では「妻が専業主婦だった場合」と「妻が会社員または厚生年金適用のパート」だった場合で、パターン別に夫婦が老後に受け取れる年金額を確認しておきましょう。

あくまでも平均ベースとなりますが、夫婦が老後に受け取れる年金受給額4パターンは下記のとおりです。

夫が厚生年金に加入している場合、月の年金受給額は20万円を超えますが、夫が自営業・妻が専業主婦の場合は夫婦で約10万円ほどしか受け取れません。

一方で、夫婦ともに会社員の場合は、年金月額が約26万8000円となり、年金だけでも世帯によっては生活していける金額となっています。

国民年金のみの場合は、老後に受け取れる収入が大きく減ってしまうため、夫婦で受け取れる受給額を把握したうえで、今のうちから老後の備えをしておけると良いでしょう。