金融業界でネットバンクの存在感が大きくなる中、銀行の選び方を考え直す人も多く見られます。
そこで参考にしたいのが、富裕層の銀行との付き合い方です。
筆者は銀行員として多くの富裕層のお客さまと接してきましたが、富裕層は利便性やコストだけでなく、銀行に「付加価値」を求めて付き合う傾向にありました。
今回は、銀行員としての経験から感じた「富裕層の銀行との付き合い方」に関する特徴を紹介します。
そもそもメインバンクはどう選ぶ?
普段利用する銀行はどのように選ぶべきなのでしょうか。「家の近くに支店があって便利だった」、「勤務先で給与口座を指定された」といった理由で、何となく選んだ人もいるかもしれません。
金融庁が公開している「基礎から学べる家計管理金融ガイド」では、金融機関を選ぶポイントとして次の4点を挙げています。
- 利便性
- 金利
- ATM利用手数料
- 振込手数料
よりお得に銀行を利用するためには、利便性や手数料は重視したいポイントです。しかし、富裕層が重視しているのはこれらのポイントだけではありません。
次の章で、富裕層が銀行との付き合いで重視している点を紹介していきましょう。
富裕層は銀行とどう付き合う?特徴4選
筆者は銀行の外回り営業を行う中で多くの富裕層と出会ってきましたが、どのお客さまも驚くほど好意的に迎え入れてくれました。
銀行に入行する前は、「営業職」というと煙たがられるイメージがあったため、お客さまが温かく話を聞いてくれるというのはとても意外に感じたことを覚えています。
富裕層が銀行と快く付き合うのは、銀行との関係性で得られる「付加価値」を重視しているためです。どういうことか、くわしく解説していきましょう。
富裕層と銀行の付き合い方1. ネットバンクより対面営業を好む
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近年ではネットバンクを利用する人も増えていますが、筆者が接してきた富裕層のお客さまは、実店舗のないネットバンクよりも対面営業を好む傾向にありました。
これは、「いかに安く手数料を利用するか」よりも「いかに有益な情報が得られるか」を重視しているためです。
銀行では預金や融資だけでなく、不動産や税金対策、事業支援、セミナー開催など多くの情報を提供しています。
銀行の担当者がついていれば、こうした情報を随時得られるため、自分で情報収集するよりも遥かに効率的です。
特に、日々忙しく過ごす経営者にとっては、「銀行は有益な情報を持ってきてくれる便利な存在」ともいえます。
富裕層と銀行の付き合い方2. 銀行を介して横のつながりを得る
銀行では、取引のある企業の経営者を対象に「経営者交流会」を開催しています。
経営者交流会では、普段関わりを持つことが少ない異業種の経営者とも交流できるため、コネクションを作るのには絶好の機会です。
ビジネスに取り組むにあたって、横のつながりを持つメリットが大きいのはいうまでもないでしょう。
富裕層と銀行の付き合い方3. 信用を蓄積する
富裕層が銀行と快く付き合うのは、有益な情報を得るためだけではありません。
銀行と積極的に取引することで、将来ローンを借りるときに有利に働かせることも大きな目的のひとつです。
銀行は融資に際して借入審査を行いますが、「これまで全く何の付き合いもない顧客」と「金融商品や預金の取引が多い顧客」であれば、後者の方が信用度が高いのは想像にたやすいでしょう。
富裕層は、事業資金の調達や不動産投資など多額のローンを借りる機会が多くあり、銀行との付き合いを選ぶのは将来に向けた種まきでもあるのです。
富裕層と銀行の付き合い方4. 複数の金融機関を利用する
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富裕層は、メインバンクを一行に絞らないのも特徴です。
筆者がお客さまのもとを訪ねたとき、他の銀行の営業担当者と入れ替わりになることも珍しくありませんでした。
複数の金融機関と付き合いを持つのは、より多くの選択肢を得るためでもあります。たとえば、ローンひとつを取っても銀行によって金利が異なります。
メインバンクが一行しかなければ提示された金利を受け入れるしかありませんが、複数の銀行と付き合いがあれば金利を比較して借入先を選定することが可能です。
メインバンクが複数あるのは手間に感じる面もあるかもしれませんが、結果として自分の選択肢の幅を広げられるメリットがあります。
銀行との付き合い方に「付加価値」を重視してみよう
メインバンクを選ぶときは、どうしても利便性やコストの安さばかりに目がいってしまうかもしれません。
もちろん利便性やコストも重視すべき点ですが、富裕層はその先に銀行と付き合う「付加価値」を見出しています。
銀行を選ぶときは目先のお得さだけでなく、対面営業だからこそ得られるつながりや情報を重視してみるのもよいかもしれません。
参考資料
椿 慧理