先日、八冠制覇がかかる藤井聡太七冠と、過去に二人しか取っていない名誉王座を目指す永瀬王座による王座戦が幕を開けました。

今年の秋は王座戦、そして藤井七冠と同学年である伊藤匠七段を挑戦者として迎える竜王戦も控えており、ますます将棋の注目度が高まっています。

藤井ブームにより、将棋は指さない、または将棋を始めたばかりだけれど観戦も楽しむという「観る将」と呼ばれるファンの存在感が増しています。

また、子どもが将棋を指す子どもの親である「親将」の中には将棋に詳しくない方もいますが、そうした観る将や親将がより将棋の世界を知ることができるのが将棋マンガです。

映画化とアニメ化も実現した「3月のライオン」

羽海野チカさんの「3月のライオン」は2016年秋にアニメ化、2017年春に実写映画化もされた作品。

ちょうどその頃、藤井聡太七冠が中学生プロ棋士としてデビューし、破竹の公式戦29連勝の偉業を成し遂げて将棋ブームが巻き起こりました。

マンガの主人公である桐山少年は不慮の事故で家族を亡くし、亡き父の友人であった棋士に引き取られ、類いまれなる才能と努力で中学生棋士となりました。彼を軸に、将棋の勝負の世界や恋愛要素、登場人物が抱える孤独や問題を丁寧に描写しています。

将棋界のタイトル戦は名人戦以外は名称を変えてはいますが、スポンサーやタイトル戦の前夜祭といった対局以外のシーンも頻繁に登場し、将棋界の裏側も取り上げられています。

先崎学九段が監修し、盤面も将棋の世界もしっかり描写されており将棋ファンも読み応えのある将棋マンガです。