近年日本では男女ともに「結婚をしない」という選択をする人が増えつつあり、厚生労働省が2023年8月1日に発表した「令和5年版厚生労働白書」では、どの年齢階層においても未婚率が上昇しています。

若い年齢層だけでなくシニア層のおひとりさまも増えており、50歳代前半においては、1980年は未婚率が男性2.1%、女性4.5%だったのに対して、2020年は男性26.6%、女性16.5%と大幅に増加していることがわかります。

このように、40歳代や50歳代でもなお結婚意思のない人が増えつつあり、老後を「おひとりさま」で迎える人も少なくありません。

老後をひとりで迎えるとなると多くの人が心配するのが「金銭面」ですが、果たして老後が近づいてきた40〜50歳代のおひとりさまの貯蓄事情はどのようになっているのでしょうか。

本記事では、40〜50歳代「おひとりさま世帯の貯蓄事情」について詳しく解説していきます。

おひとりさま世帯の老後の「年金受給額」や「生活支出」も紹介しているので参考にしてください。

40〜50歳代「おひとりさま世帯」の貯蓄

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」によると、40歳〜50歳代のおひとりさま世帯の貯蓄額は【図表1】の結果となりました。

平均値は「全てのデータを足したあとにデータ数で割った値」となっており、極端に貯蓄額が多い人がいた場合は、平均値がその金額に寄ってしまう傾向にあります。

一方で中央値は、対象となるデータを小さい順に並べたときの中央にある値で、より実態に近いことから、一般的な貯蓄額の実態を知りたい方は、中央値を参考にすることをおすすめします。

40歳代と50歳代の中央値はともに53万円となっており、貯蓄額100万円未満の世帯が多いことがうかがえます。

中央値と平均を比較すると、その差は10倍以上となっており50歳代に関しては、約1000万円の差が生じています。

なぜ、同じ年代で平均と中央値にこれだけ差が生じているのでしょうか。

次章で詳しく解説していきます。