初夏に真っ赤な実をたわわに付けるヤマモモ。性質が強くやせた土地でも育つので、庭木や街路樹として植栽されているのをよく見かける常緑高木です。
ドラマでは万太郎の研究費用のため、妻の寿恵子が商いを始めることに。その店先には万太郎がシンボルツリーとして選んだヤマモモの木が、赤い実を付けて客を出迎えていました。
今回はヤマモモの魅力や育て方を紹介します。
【NHK朝ドラ】『らんまん』第23週に登場する「ヤマモモ」ってどんな植物?
- ヤマモモ科ヤマモモ属
- 常緑高木
- 分布地:本州中部~南部・四国・九州・南西諸島・中国南部~インド
- 樹高:5~15メートル
- 開花時期:3~4月
- 参考価格:2000~3000円前後(4号ポット苗)
ヤマモモは暖かい地域の山に自生し、日本では古くから和歌にも詠まれるなじみ深い常緑樹。初夏に桃によく似た赤い実が鈴なりになることから、「山の桃」という意味で「ヤマモモ」と名付けられました。
やせた土壌でも生育し、環境にうまく適応する強健な性質。庭木としてはもちろん街路樹にもよく利用されていて、みずみずしい常緑の葉や真っ赤な実が楽しめます。
ヤマモモはやや耐寒性が弱いものの耐暑性に優れていて、関東以西の温暖な山地に多く自生。牧野博士の郷里である高知県でもよく見かけたことから、県花に指定されました。
県花選定の際にヤマモモを推薦した牧野博士はその晩年、病床に届いた高知からのヤマモモを見てとても喜び、故郷を懐かしんだと言われています。
【NHK朝ドラ・らんまん】「ヤマモモ」の魅力は?
シンボルツリーや街路樹に最適
ヤマモモは強健な性質を持ち、ほとんど手をかけなくても大丈夫。乾燥したやせ地でも生育できるので庭のシンボルツリーや街路樹にピッタリです。
常緑樹なので1年中みずみずしいグリーンの葉を茂らせ、大きな葉は密になって生えます。周囲からの目隠しになるシンボルツリーや、日差しを遮り涼しい日陰を作る街路樹として役立つでしょう。
初夏に実る真っ赤な実
ヤマモモは3~4月にかけて花が咲きます。花弁がなく茶色の地味な花なのでほとんど気づかないことも。花が散ったあと5~6月にかけて結実しますが、雌雄異株なので実が成るのは雌株だけです。
名前の由来となった桃と比べるとはるかに小さく、1.5センチほどのミニサイズ。果皮にはツブツブの突起物があり、葉の付け根に数個がまとまった形で実ります。
梅雨が終わる頃には実の色が真っ赤に色付き、やがて黒に近い色合いまで熟したら収穫のタイミング。水分をたっぷり含んだ甘酸っぱい果実です。