厚生労働省が2023年8月2日に発表した生活保護の利用申請は、全国で2万2680件となりました。
昨年同月比で2327件増えて、5ヵ月連続の増加となっています。
生活保護は公的年金を受給していても申請できる制度ですが、実際に厚生年金や国民年金の受給額が10万円の場合、生活保護はいくら受け取れるのでしょうか。
今回は、東京都在中で「年金受給額が10万円」の場合に、生活保護がいくら受け取れるのかを解説します。
1. 生活保護が受けられる条件と受給できる金額は?
生活保護を受けられる条件と実際に受給する金額について確認しましょう。
1.1 生活保護が受けられる条件
一般的に、生活保護を利用する必要性があるのか、以下の項目について自治体が確認しています。
- 資産の活用:預貯金や生活に利用していない土地や家屋を売却して生活費に充てる
- 能力の活用:働けるのであれば、就業してもらう
- あらゆるものの活用:年金や手当など他の制度で給付を受けられるなら活用する
- 扶養義務者の扶養:親族等から援助を受けられるなら援助を受ける
それぞれの項目を活用できないと判断された場合に、生活保護の受給が認められます。
1.2 生活保護で受け取れる金額
生活保護は、厚生労働大臣が定める基準で計算した最低生活費に、実際の収入が不足していると支払われます。
そのため、収入が最低生活費を上回っていると支払われません。
支給する金額は、最低生活費から実際の収入を差し引いた額となります。
生活保護における最低生活費は「生活扶助」と「住宅扶助」の合計金額です。
- 生活扶助:食費や光熱費といった生活に必要な費用
- 住宅扶助:住居を確保するための家賃などの費用
最低生活費は、生活保護を受ける人の年齢や住んでいる都道府県の市区町村、扶養している世帯の人数によって計算方法が異なります。
では、東京都に在住で公的年金の受給額が10万円の場合、生活保護はいくら受け取れるのか確認しましょう。
2. 東京都で年金の見込額が10万円だと生活保護はいくら受給できる?
東京都の場合、住んでいる住所地によって受給額が異なります。
今回は、65歳の単身世帯と夫婦世帯でいくら受給できるのか確認しましょう。
2.1 単身世帯の場合
単身世帯の場合、生活保護における最低生活費は以下の通りです。
- 1級地-1:12万7920円(生活扶助:7万4220円 住宅扶助:5万3700円)
- 1級地-2:12万5390円(生活扶助:7万1690円 住宅扶助:5万3700円)
- 2級地-1:11万4530円(生活扶助:6万9530円 住宅扶助:4万5000円)
- 3級地-1:10万7540円(生活扶助:6万6640円 住宅扶助:4万900円)
級地ごとの市区町村は、以下の通りです。
公的年金で10万円が受け取れる場合、最低生活費から差し引いた金額が生活保護費として支給されます。
生活保護費として支給される金額は、以下の通りです。
- 1級地-1:2万7920円
- 1級地-2:2万5390円
- 2級地-1:1万4530円
- 3級地-1:7540円
では、夫婦世帯であればいくらになるのか確認しましょう。
2.2 夫婦世帯の場合
夫婦世帯の場合、生活保護における最低生活費は以下の通りです。
- 1級地-1:18万3920円(生活扶助:11万9920円 住宅扶助:6万4000円)
- 1級地-2:17万9890円(生活扶助:11万5890円 住宅扶助:6万4000円)
- 2級地-1:16万6190円(生活扶助:11万2190円 住宅扶助:5万4000円)
- 3級地-1:15万6250円(生活扶助:10万7250円 住宅扶助:4万9000円)
単身世帯と同じく、公的年金で受け取る10万円は差し引くため、生活保護費として受け取る金額は以下の通りです。
- 1級地-1:8万3920円
- 1級地-2:7万9890円
- 2級地-1:6万6190円
- 3級地-1:5万6250円
以上から、単身世帯と夫婦世帯では同じ年金受給額が10万円でも生活保護費として受け取れる金額が異なります。
また、最低生活費は扶養人数をはじめ世帯人員の障害の状態や介護者の有無で変わるので、より正確な金額を知りたい場合は、お住いの自治体に確認してください。
3. 生活保護を受給する場合の注意点
生活保護を受給する場合には、ケースワーカーによる生活状況を把握するための実地調査に注意しましょう。
実地調査では、預貯金や換金できる資産の有無、仕送りをはじめ援助できる親族がいないか確認を受ける必要があります。
この調査に協力しないと生活保護の審査が通らないので、注意してください。
4. 生活保護は公的年金を受給していても受けられる
生活保護は、国の基準で定められた最低生活費から、収入を差し引いた金額が受け取れます。
公的年金を受給していても、生活保護の申請や受給は可能です。
東京都の場合、年金受給額が10万円でも生活保護費は受け取れるケースが高いでしょう。
しかし、実際に生活保護が受けられるかは、資産の状況や扶養できる人の有無で判断されるので、詳しく確認したい人はお住いの自治体に相談してください。

