2. 厚生年金と国民年金はいくら?65歳以上世帯の場合

65歳でリタイアした場合、何も貯蓄を切り崩して生活するわけではありません。多くの方が老齢基礎年金や老齢厚生年金などを受給できるでしょう。

ただし、問題なのはその受給額。老後を過ごすのに十分な金額なのかどうか、こちらも厚生労働省の資料をもとに確認します。

2.1 厚生年金の受給額(65歳以上の男性)

厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、65歳以上の男性が受給する厚生年金の平均月額は16万9006円でした(国民年金を含む)。

  • 60歳:8万8303円
  • 61歳:9万6213円
  • 62歳:10万8082円
  • 63歳:9万564円
  • 64歳:9万843円
  • 65歳:16万9006円

64歳未満が少ないのは、特別支給の老齢厚生年金における定額部分の支給開始年齢の段階的引き上げにより、原則として定額部分のない報酬比例部分のみの年金となっていることや、繰上げを選択した者及び坑内員・船員のみとなっていることなどが一因です。

2.2 厚生年金の受給額(65歳以上の女性)

  • 60歳:8万556円
  • 61歳:8万3785円
  • 62歳:5万5371円
  • 63歳:5万1206円
  • 64歳:4万9182円
  • 65歳:10万9261円

女性も同じ理由から64歳未満の水準が低くなっていますが、着目すべきは男女差ではないでしょうか。65歳以上の男性は16万9006円でしたが、女性は10万9261円にとどまります。

2.3 国民年金の受給額(60歳以上の男女)

厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」では、国民年金に関する「65歳以上」のデータがありません。そのため、全体の受給額をご紹介します。

男女全体平均月額:5万6368円

  • 男性平均月額:5万9013円
  • 女性平均月額:5万4346円

国民年金保険料は全員が一律の金額を支払うため、個人間における大きな差はありません。未納期間を作らずに、できるだけ満額を納めることが重要になるでしょう。

一方で厚生年金の受給額は、多く稼ぎ、長く働いた人が有利になる仕組みになっています。

次章では「65歳以上の夫婦のみの無職世帯」の支出額について見ていきます。