シングルマザーの方で住宅ローンを組みたいという方も多いのではないでしょうか。

厚生労働省が2022年12月26日に公表した「令和3年度 全国ひとり親世帯等調査結果報告」によると、母子世帯で本人名義の住居に居住している世帯は約15%となっています(2021年11月1日時点)。

今回はシングルマザーでも住宅ローンは組めるかどうかや、児童手当への影響や審査のポイント、税制優遇制度について解説していきます。

当記事を参考に住宅ローンを検討してみてください。

1. この記事を読んでわかること

  • シングルマザーでも住宅ローンは組めるか
  • シングルマザーが住宅ローンを組むための審査のポイント
  • 児童手当への影響やシングルマザーが利用できる税制優遇制度

2. シングルマザーでも住宅ローンは組める?

審査に通れば、シングルマザーでも住宅ローンは組むことができます。

シングルマザーや独身女性だからという理由が、住宅ローンの審査を直接左右するものではありません。

ただし住宅ローンの種類によっては、雇用形態が契約社員や派遣社員は対象外となる場合もあります。

3. シングルマザーが住宅ローンを組むための審査のポイント

住宅ローン審査で重要視されるポイントとしては、 主に以下のようなものがあります。

  • 完済時の年齢
  • 借入時の年齢
  • 健康状態
  • 担保評価
  • 勤続年数
  • 年収など

ここには、性別や家族構成などは含まれていませんね。

働き続ける女性の割合は増えており、女性向けの住宅ローンを取り扱っている金融機関もあります。

乳がんや子宮がんなど、女性特有の病気をカバーする保険がついていたり、金利が優遇されるケースも。

4. 児童扶養手当に影響する?

シングルマザーの方には、児童扶養手当を受けている方も多いでしょう。

児童扶養手当には受給条件や所得制限が定められていますが、不動産を所有することで手当が減額されることはありません。

ただし、両親との同居による実家暮らしなどを検討している場合は注意が必要です。

同居する家族の所得により、児童扶養手当の一部支給停止や、全部支給停止となる可能性があるからです。

5. シングルマザーが利用できる税制優遇制度

シングルマザーが利用できる税制優遇制度は主に以下のとおりです。

  • ひとり親控除
  • 寡婦控除

順番に解説していきます。

5.1 ひとり親控除

ひとり親控除は、所得税の所得控除の1つです。

ひとり親に該当すると35万円の所得控除が受けられます。

ひとり親とは次のように定義されています。

  • ひとり親=原則としてその年の12月31日時点で婚姻をしていない、または配偶者の生死が分からない一定の人

また以下の要件に全て該当する人のことをいいます。

  • 事実上婚姻関係と同じ事情だと認められる一定の人がいない
  • 生計を一にする子どもがいる(※その年の総所得金額などが48万円以下で、ほかの人の一生計配偶者や扶養親族になっていない)
  • 合計所得金額が500万円以下

該当するシングルマザーの方はひとり親控除を利用しましょう。

5.2 寡婦控除

寡婦控除は、納税者本人が寡婦に該当する場合、27万円の所得控除が受けられるものです。

寡婦とは、その年の12月31日時点でひとり親に該当しない、以下のいずれかに該当する人をいいます。

  • 夫と離婚した後、再婚しておらず、扶養親族がおり、合計所得金額が500万円以下
  • 夫と死別した後、再婚していない人。もしくは夫の生死が不明な一定の人で、合計所得金額が500万円以下(※該当する場合、扶養親族の要件なし)

また、納税者本人に事実上の婚姻関係と同じ事情にあると認められる一定の人がいる場合は対象外です。

該当するシングルマザーの方は寡婦控除を利用しましょう。

参考資料

7. まとめ

  • シングルマザーでも住宅ローンは組める
  • シングルマザーであることが住宅ローン審査に与える影響は大きくないと考えられる
  • シングルマザーが利用できる税制優遇制度は「ひとり親控除」「寡婦控除」

MeChoice編集部