4. 「年金だけで生活できないシニア」は何パーセントか

さらに知っておきたい、シニアの厳しいフトコロ事情があります。ずばり、「年金だけで生活できる世帯は、ほんのわずかである」という点。

厚生労働省が公表した「2022年 国民生活基礎調査の概況」によれば、「公的年金・恩給を受給している高齢者世帯における公的年金・恩給の総所得に占める割合が100%」の世帯は44.0%でした。

つまり、56%は年金以外の収入もあわせて生活していることになります。

残りの世帯は働いて得た収入や、財産所得(いわゆる不労所得)のほか、仕送りを受けたり、個人年金などで補っているというのが現状です。

「人生100年時代」といわれる、長い老後を生きる現役世代の私たち。年金生活を支える老後のお金は、自分で工夫して準備していく視点が求められます。

5. 70歳からの老後に向けた老後資金準備

今回は70歳代の貯蓄の実態を見ていきました。

現状では、老後は年金があるから安泰、と楽観視はなかなかできないのではないでしょうか。実際、教育費や住宅ローンに追われ、気づいたら老後の資金がないというご家庭も少なくないでしょう。

人生100年時代と言われる中で安心して老後を迎えるために貯金だけではなく、資産運用を活用するのは一つの方法だと思います。

たとえばNISAやiDeCoといった国の優遇制度を利用すれば、通常は利益に対して約2割かかる税金も非課税になるので、初心者の方も始めやすいでしょう。

年齢を重ねるにつれて、健康の不安は大きくなってきます。なので、できる時から老後に向けて準備していくのがよいのではないでしょうか。

資産運用にはリスクもありますので自分に合った運用方法で老後を見据えた準備をしていきましょう。

参考資料

西村 翼