厚生労働省の「令和4年簡易生命表」によると、平均寿命は男性81.05年、女性87.09年でした。定年退職後の人生は20~30年ほどあるということになります。
リタイア後「おひとりさま」で過ごす方は、長い老後生活に向けて、どのくらい「準備」を進めているのでしょうか。
老後までラストスパートとなる50歳代おひとりさまの貯蓄額から、その進捗状況を覗いてみます。また、老後資金をつくるにあたり知っておきたい3つのことも確認していきます。
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50歳代おひとりさま「みんなの貯蓄額」中央値は53万円
貯蓄事情は、収入や生活費、貯蓄にどれくらい重きをおいているのかなど個々で異なりますが、参考までにいまの50歳代「おひとりさま」の貯蓄額をのぞいてみましょう。
◆50歳代・単身世帯の貯蓄額◆(平均・中央値)
- 平均:1048万円
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中央値:53万円
- 金融資産非保有:39.6%
- 100万円未満:11.5%
- 100万~200万円未満:5.5%
- 200万~300万未満:4.4%
- 300万~400万円未満:3.0%
- 400万~500万円未満:1.9%
- 500万~700万円未満:3.0%
- 700万~1000万円未満:5.5%
- 1000万~1500万円未満:4.6%
- 1500万~2000万円未満:4.1%
- 2000万~3000万円未満:4.1%
- 3000万円以上:9.6%
- 無回答:3.3%
※金融資産非保有世帯を含む
50歳代「おひとりさま」世帯の貯蓄額は平均1048万円・中央値53万円でした。
平均と中央値で大きな乖離が見られます。平均は、一部の大きな数字にデータが引っ張られてしまうため、データを小さい順に並べた時に真ん中に位置する「中央値」を参考にしておきましょう。
とはいえ、貯蓄額は個人差がありますので【円グラフ】で金額階層別の割合も見ておきましょう。
金融資産非保有、つまり「貯蓄ゼロ」の方が約40%もいるようです。一方、3000万円以上の金融資産をもつおひとりさま世帯は、約10%。1000万円以上では22.4%です。
退職金を老後資金に充てる予定の方も一定数いるでしょう。しかし、「貯蓄ができなかった」方は、このまま貯蓄ゼロで老後を迎えるのは不安かもしれません。
1000万円あれば安心、3000万円あっても不安、と安心感を得られるラインは個々で異なりますが、やはり貯蓄は必要です。
とくに、おひとりさまで迎える老後は「お金」が心身ともに味方となるでしょう。