2.【老齢年金】年金から天引きされるお金4つ
老齢年金の受給開始時・受給開始後には「年金振込通知書」にて「額面」と「天引き後の実際の振込額」を確認することができます。
しかし、この段階ではすでに老後の生活設計が整っていると考えられます。「思っていたより3万円も少ない…」ということになれば、老後資金が足りなくなる可能性もあるでしょう。
年金受給開始直前に慌てることのないよう、現役時代のうちから、天引き後の手取り額を加味した家計キャッシュフローを想定しておく必要があります。
老後の年金見込額は、「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確認することができます。
これまでの年金加入記録に基づいた現時点での受給見込額となりますので、定期的に確認して最新の年金見込額を把握しておきましょう。
なお、この年金見込額も「額面」です。ここから、税金や保険料が天引きされる点にご留意ください。では、年金から天引きされる4つの項目を確認していきましょう。
2.1 年金から天引きされるお金①介護保険料
介護保険は40歳から健康保険料に上乗せする形で納めます。年額18万円以上の年金を受給している場合に、年金から天引きされます。
2.2 年金から天引きされるお金②健康保険料
健康保険料も、原則年金からの天引きです。また、75歳以降に加入する後期高齢者医療制度の保険料も天引き対象になります。年額18万円以上の年金を受給している場合に、年金から天引きされます。
2.3 年金から天引きされるお金③個人住民税
住民税は、前年度の収入によって計算されます。新年度分の住民税は、6月から翌5月にかけて年金から天引きされます。
2.4 年金から天引きされるお金④所得税
所得税は年金額やその他の所得などによって異なります。年金額から各種控除や社会保険料を差し引いた課税対象額により決定します。
3.【老齢年金】国民年金・厚生年金の平均月額
では、いまのシニア世代は国民年金または厚生年金をどのくらい受け取っているのでしょうか。
厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参考に確認していきます。
なお、これから見る年金額はすべて「額面」となりますのでご留意ください。
3.1「 国民年金」の平均月額:5万6368円
まずは国民年金の受給額から確認します。
- 〈全体〉平均年金月額:5万6368円
- 〈男性〉平均年金月額:5万9013円
- 〈女性〉平均年金月額:5万4346円
《国民年金の受給額(1万円ごとの人数分布)》
- 1万円未満:7万27人
- 1万円以上~2万円未満:28万4152人
- 2万円以上~3万円未満:90万3006人
- 3万円以上~4万円未満:274万9550人
- 4万円以上~5万円未満:463万6048人
- 5万円以上~6万円未満:791万730人
- 6万円以上~7万円未満:1500万3006人
- 7万円以上~:187万2466人
国民年金は、男女ともに平均5万円台となりますが、ボリュームゾーンは「6万円~7万円未満」です。