おひとりさま「60歳代～70歳代」の年金月額・生活費・貯蓄額から年金暮らしを覗く 国民年金と厚生年金の差とは

1.2「厚生年金」受給額の平均月額

• 男性：月額16万3380円
• 女性：月額10万4686円

全体：月額14万3965円

※国民年金部分を含む金額です。

厚生年金の保険料は、現役時代の給与・賞与などの報酬により決定します。老後に受給する年金額は、保険料と年金加入期間により決定するため「現役時代の働き方」が大きく影響する仕組みとなっています。

厚生年金の受給額の平均月額をグラフで見てみると、男女・個人でバラバラなのがお分かりいただけるでしょう。

自分が平均的なのか、それ以上・以下なのか。現時点の加入記録に基づく年金見込額を「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確認できますので、一度見ておきましょう。

2. おひとりさま「生活費」毎月いくらか

老後の生活費はどのくらいかかるのでしょうか。

総務省統計局の「家計調査報告〔家計収支編〕2022年（令和4年）平均結果の概要」によれば、65歳以上の単身無職世帯の月の支出は非消費支出・消費支出を合わせて「15万5495円」です。

【1カ月あたりの支出合計：15万5495円】

消費支出：14万3139円

• 食料：3万7485円
• 住居：1万2746円
• 光熱・水道：1万4704円
• 家具・家事用品：5956円
• 被服及び履物：3150円
• 保健医療：8128円
• 交通・通信：1万4625円
• 教養娯楽：1万4473円
• その他：3万1872円（諸雑費・交際費など）

非消費支出：1万2356円

• 直接税：6660円
• 社会保険料：5625円

実収入「13万4915円（内12万1496円が公的年金など）」に対して、ひと月あたりの支出が15万5495円。毎月2万580円の赤字となります。

先ほど確認した「国民年金」と「厚生年金」の受給額の平均月額で収支を計算してみましょう。

• 国民年金の場合：月額5万6368円-支出15万5495円＝▲9万9127円 赤字
• 厚生年金の場合：月額14万3965円‐支出15万5495円＝▲1万1530円 赤字

どちらも赤字になるようですね。あくまでも「平均的」なデータによる比較ですので、黒字になる世帯、より大きな赤字となる世帯、さまざまあるでしょう。

ただ、いずれにしても老齢年金だけで老後の生活をカバーするのは厳しいと見るのが妥当かもしれません。