■厚生年金「5万円刻み」の年金受給権者数と割合※国民年金部分を含む
年金受給額 人数(割合)
- 月額5万円未満 38万8575人(2.4%)
- 月額5万円以上10万円未満 336万1204人(20.8%)
- 月額10万円以上15万円未満 497万6556人(30.8%)
- 月額15万円以上20万円未満 495万2516人(30.6%)
- 月額20万円以上25万円未満 223万4558人(13.8%)
- 月額25万円以上30万円未満 25万2220人(1.6%)
- 月額30万円以上 1万4816人(0.1%)
平均年金月額 14万3965円
厚生年金の平均月額は14万3965円となっています。生活水準にもよりますが、月に14万3965円もらえれば年金だけで生活できる人もいるでしょう。
ただし、厚生年金は現役時代の年収や勤務期間によって受給金額が異なるため、人による受給額の差は大きいです。【図表3】の1万円刻みの受給権者数をみても、その差がわかるでしょう。
また、厚生年金は会社員や公務員としての勤務経験がある人のみがもらえる年金となっています。会社員や公務員経験がない自営業者や専業主婦は厚生年金をもらえません。
受け取れる年金は、国民年金のみです。そのため、会社員や公務員と比べて年金受給額が少なくなることに注意してください。
まずは貯蓄額や年金額を把握して必要な老後対策を
今回は平均を見てきましたが、必要な老後資金は個人差が大きいものです。
まずはご自身の貯蓄額を振り返ったり、ねんきんネットを利用して将来の年金受給予定額を把握しましょう。
将来もらえる年金額と老後の生活費をシミュレーションして、どの程度老後に向けた貯蓄が必要なのかを検討してみてください。
年金額は毎年改定され、2023年度は物価高により3年ぶりの増額となりましたが、マクロ経済スライドによる調整で実質目減りとなりました。
少子高齢化の現代においては、年金受給額の減少も想定して、老後対策を考えたいところです。
現状を見て、老後に向けた目標額を具体的にすれば、日々の節約や資産形成のモチベーションにもつながるでしょう。
参考資料
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和4年)」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和4年)」
- 厚生労働省年金局「令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」
苛原 寛