先週の世界株式市場の動き
先進国を中心に株価調整となった1週間、上昇が続いた日本株も久々に下落
先週(2017年13日~11月17日)の世界の株式市場は、先進国を中心に調整局面となった市場が多かったようです。特に、それまで急ピッチの上昇が続いた日本株の下落が目立ちました。
- 日経平均株価(日本) ▲1.3%下落
- TOPIX(日本) ▲2.0%下落
- NYダウ(米国) ▲0.3%下落
- Nasdaq指数(米国) +0.5%上昇
- FTSE100(英国) ▲0.7%下落
- DAX(ドイツ) ▲1.0%下落
- 香港ハンセン指数(香港) +0.3%上昇
- 上海総合指数(中国) ▲1.4%下落
- ムンバイSensex(インド) +0.1%上昇
- ボベスパ指数(ブラジル) +1.8%上昇
注:いずれも先週末(11月17日)と先々週末(11月10日)の終値比較。該当日に株式市場が休場の場合は、その直前営業日の終値。
先進国の多くで株価は下落、新興国はブラジル株の反発が際立つ
先週は、特に目立った政治イベントはなく、また、重要な経済指標の発表もありませんでした。そうした中、先進国を中心に、先々週に続いて株価調整となった市場が目立ちました。
一方、新興国市場はややまだら模様でしたが、先々週まで調整が続いていたブラジルなど一部の新興国は反発となっています。これが単なる自律反発なのか、それとも割安感が出たことによる買い戻しなのか、今後の動向が注目を集めるでしょう。
日本株は週次ベースで実に10週間ぶりの下落に
先進国の中では、日本株の下落が目立ちました。
日本株は、先々週の後半から急速にボラタイル(値動きが激しい状況)になり、それまでの上昇基調に変化が見えていました。結局、先週はその動きを引き継ぎ、300円単位の上昇・下落が続く乱高下になったようです。
そうした動きを見せながら、利益確定売りが増えたこと等から、週次ベースとしては実に10週間ぶりの下落となりました。改めて振り返ってみると、よく9週間(ほぼ2ヶ月間)も上昇していたものだと驚かされます。
米国株は大幅下落こそないものの揉み合いが続く
海外市場では、米国株も上値が重い展開となりました。NYダウは2週連続の下落となり、それまでの一本調子の上昇基調が明らかに変わっています。ただ、大幅下落となることもなく、高値圏での揉み合いが続いていると見られます。
一方、欧州株はさらに調整色を強めました。欧州市場に特段ネガティブなニュースはなかった模様ですが、買い上げる材料にも乏しく、利益確定売りが優ったと見ていいでしょう。
今週の世界株式市場の注目点
重要イベントが少ない中、休場前の仕掛け的な値動きに警戒
今週(11月20日~11月24日)は、先々週、先週に続いて重要イベントが少ない週です。ただ、こうした静かな週は、些細なニュースや経済指標で株式市場が大きく動く可能性があるため、注意が必要です。
なお、11月23日は米国市場が感謝祭、日本市場が祝日(勤労感謝の日)のため、それぞれ休場となります。
今週予定されている株式市場にインパクトを与えそうな主な予定は以下です。
- 11月20~22日:衆議院代表質問(日本)
- 11月21日:スーパー売上高、百貨店売上高(10月分、日本)
- 11月22日:耐久財受注(10月分、米国)
- 11月22日:FOMC議事要旨公開(11月1~2日開催分、米国)
- 11月23日:ECB政策理事会議事要旨(10月26日開催分、欧州)
- 11月24日:ブラック・フライデー(米国)
日程は現地時間。現時点での予定のため、変更になる可能性あり。
重要イベントの少ない週だからこそ、株価の動きに要注意
今週も目立った政治イベントはなく、また、重要な経済指標の発表も少ないようです。しかし、そういった時に株価の動きが激しくなることは、よく見られることで珍しくありません。
今週も引き続き、ボラタイルな株式市場に注意が必要と言えましょう。
休日前に公開されるFOMC議事要旨が最大の注目材料に
材料が乏しい中、最大の注目点は22日に公表されるFOMC議事要旨(11月1-2日開催分)でしょう。
元々、FOMC議事要旨が公開されると、為替相場を始めとする金融市場が大きく動くパターンが多く見られます。今回はこうした定例の動きに加え、翌日(23日)が感謝祭のため休場になるため、休日前の仕掛け的な動きも予想されます。
また、その議事要旨に今後の利上げペースに関する示唆がある場合、通常以上の乱高下もあり得るため、要注意のイベントと考えられます。なお、これによって金融市場に大きな変動が起きた場合、翌日は日本市場も休場であることに注意しましょう。
“ブラックフライデー”に絡む小売株の動きも材料に
もう一つ米国絡みで注目したいのが、24日のブラックフライデーです。これはクリスマス商戦の開始を告げる恒例のイベントですが、小売株が大きく動き出すトリガーになることでも知られています。
今年はアップル社の新型iPhoneなど目玉商品も多いため、このブラックフライデーから始まる1~2週間の米国小売業界は大きな関心を集めると見られます。また、これは間接的に日本の株式市場にも影響を与えると考えられます。
乱高下が続く日本株市場の沈静化はなるか?
日本株の行方も気掛かりです。先週は日々300円単位の上昇・下落が続いたり、1日で500円近い値幅(高値と安値の差)が発生したりするなど、ボラタイルな株価が続いています。今週は、落ち着きを取り戻すのか、それとも、上下どちらかに大きく振れるのか注意したいところです。
そうした動きも含めて、今週も世界の株式相場の動きから目が離せない1週間になりそうです。
LIMO編集部