3. 4%ルールとは

この運用しながら取り崩していく方法ですが、実は米国でアーリーリタイアメントを狙っている、比較的資産を保有している若者世代に、流行している資産運用の考え方と共通しています。

学説自体は1998年に米国のトリニティ大学で発表された、資産運用に関する論文(Trinity Study)で提唱された「4%ルール」のことを指します。ルールの詳細は下記の通りです。

  • 定年後(老後)は年間生活費の25倍の資産を持っておく
  • 資産は株式と債券の組み合わせで保有する
  • 資産の4%を毎年生活費として引き出す

上記の方法で運用を継続すると、自分が亡くなるまで、つまり20年後30年後でも、資産は枯渇することはなく、むしろ資産は増加したという結果が報告されています。

本来であれば、投資や運用の経験は、リスクが取りやすい若い頃から始めておき、経験を積んでおくことが理想ですが、日本人は運用に不慣れな方が多く、定年後からスタートする方も少なくありません。

このルールに従って、運用をスタートすれば、長期投資をしながら、老後の生活費を賄うことも可能です。

65歳の平均余命は男性で約20年、女性で約24年ありますから、決して定年後の長期運用を諦める必要はありません。定年後で運用を始めたとしても、資産が増える可能性は多いにあるのです。

4. 確かなアドバイザーに相談しましょう

とはいえ、初心者の方の場合、自分で口座開設して、投資信託を選んで、運用を開始するのは、なかなか骨の折れる作業です。

その場合は、信頼できるアドバイザーを探してから、運用をスタートしましょう。

金融知識の豊富なアドバイザーに出会えれば、生涯の財産になります。

例えば、私は元銀行員ですが、金融商品や運用のノウハウ、経済などの知識はありますが、不動産の知識はあまりありません。そんな時役立つのは、銀行員時代の融資課の同僚です。

不動産を生業とした専門家の話は多いに参考になります。実際不動産を購入する際にも参考にさせてもらいました。

その道のスペシャリストは、我々の知らない情報を持っています。退職金は大切な老後の資産ですから、できれば、いろいろな金融機関、ネット銀行でも構いませんので、知識が豊富で、相談しやすいと感じたアドバイザーとお付き合いされることをお勧めします。

5. まとめにかえて

退職金は残念ながら、年々減少傾向にあります。上述しましたが、退職金自体が無い企業も少なくありません。

自分自身の老後は、まさに自助努力にかかっていると言っても過言ではありません。信頼できる専門家を早めに見つけ、退職金の運用方法をはじめ、お金のことを相談できる体制を整えることが鍵となりそうです。

参考資料