3.2 厚生年金の受給額:平均月額14万3965円
- 〈男性〉平均年金月額:16万3380円
- 〈女性〉平均年金月額:10万4686円
※国民年金の金額を含む
まず国民年金か厚生年金かで、水準が異なることがわかります。主に会社員や公務員の方などは厚生年金に加入しているので、比較的手厚い年金が受け取れるでしょう。
ただし、厚生年金の平均額を受給できたとしても、平均支出額と比べると赤字になることがわかります。
また実際には年金の受給額は個人によってばらばらで、厚生年金を15万円以上受給できる方は男性の64.2%、女性の9.34%です。
年金だけで暮らせない可能性も踏まえ、貯蓄を増やすことも検討した方がいいでしょう。
4. 老後に向けて
「40~50歳代の独身世帯」の貯蓄額や、平均的な支出状況にフォーカスをあててお話をしていきました。
同世代の方々の、おおよその貯蓄額を把握できたのではないでしょうか。
平均の貯蓄額を比較して悲観してしまう方、あるいは安心してしまう方もいらっしゃいますが、これだけで判断はできません。
平均通りの貯蓄があるほうがまれであるように、老後に使う資金も人によって違います。
老後資金は、期間が長いほど貯めやすい資金です。しかし、毎月の住宅ローン返済や子どもの教育資金など、目先のやりくりで少額しか貯金できないこともあるかとは思います。
今銀行で定期預金を作りに行って金利が0.1%にも届かないことがほとんどです。低金利時代に定期預金で資産を増やすことは望めません。
数十年先のための貯金となれば、この物価高騰の波に飲み込まれることは明白です。
資産運用などもバランスよく使って、将来資金をため始めることが老後だけでなく今を楽しむというコツなのかもしれませんね。
参考資料
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](平成19年以降)」
- 内閣府「令和4年版 少子化社会対策白書 3婚姻・出産の状況」
- 国立社会保障・人口問題研究所「出生動向基本調査<結婚と出産に関する全国調査>」
- 総務省「2019年全国家計構造調査 家計収支に関する結果」
- 厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
足立 祐一