配当金や株主優待を目的に株式投資を行っても、日々の株価の変動は気になるものです。長期投資であっても身銭を切って投資しているので、株価が気になるのは仕方ありません。
株価の変動は、企業業績のみならず日本そして世界経済全体の流れからも大きな影響を受けます。そして株価の変動は、株式のリターンに大きな影響を与えます。
よって配当や優待を目的に株式に投資した場合でも、「株価の値上がり・値下がり」は株式のリターンとしては欠かすことができない要因です。
今回は商船三井(9104)について、配当金やと株価をあわせた「1年前に100株を買った人の本当のリターン※」を確認します。
※株式分割の影響は、株価や配当金、株式数など全て遡及修正して株価を調整しています。
※記事中で記載の株価は全て終値となっています。
1. 商船三井(9104)の配当金のリターンはいくらか
商船三井の株式を1年前に買い、持ち続けたとすると、「2023年3月期の中間配当」と「2023年3月期の期末配当」の計2回を受け取ることができます。
なお、配当基準日を迎えた時点でリターンが確定したとします。
今回の検証では、以下のような想定となります。
- 株式の取得日:2022年8月31日
- 株式の取得価格:3655円(取得日の終値)
- 2023年3月期・中間配当:300円
- 2023年3月期・期末配当:260円
- 100株ベースの配当金のリターン:5万6000円
それでは次に、株主優待のリターンを計算していきます。
2. 商船三井の株主優待のリターンはいくらか
商船三井は決算期(2023年3月期)現在、100株以上保有する方に向けて「にっぽん丸」クルーズ優待を3月9月の年2回、フェリーサービス「さんふらわあ」優待を9月の年1回提供しています(配布枚数は株数により異なる)。
「にっぽん丸」クルーズは、プランによって価格が異なります。ここでは、8月開催横浜港出発の「夏休み館山花火と伊勢志摩クルーズ」を選んだ場合について試算します。
スタンダードステートを選択した場合、2名1室利用時大人一人16万8000円です。1クルーズで1人2枚利用の場合、旅行代金が20%割引です。そのため、3万3600円分お得になります。
優待券は年2回配布されるため、もう1度同じようなプランで優待を利用したと仮定します。すると、1年で6万7200円分の割引が使えることになります。
フェリーサービス「さんふらわあ」は、大人運賃1名1乗船(片道)について、5000円割引となります。そのため、優待のリターンは7万2200円です。
加えて、商船三井は2024年3月末日時点で2年以上300株以上保有している株主に向けて、新しい株主優待を実施することを公表しました。