インデックス投資信託「後悔しない」選び方4選

では、つみたてNISA(2024年~つみたて投資枠)で投資するインデックス投資信託はどのように選べば良いのでしょうか。

投資信託は解約もできるため途中で銘柄を変えることはできますが、積立投資の性格上、基本的には長期的に継続して投資することが重要です。ご自身にとって最適な銘柄を見つけて、じっくり運用しましょう。

ここではインデックス投資信託選びで「後悔しない」選び方を4つご紹介します。

■「インデックス投資信託」後悔しない選び方①「おすすめ」されただけのファンドを避ける

SNSやインターネットを通じて、様々な情報を簡単に入手することができる便利な時代ですが、それゆえに情報の取捨選択が難しくなっています。

NISA関連のおすすめファンドなども、いろいろなところで見聞きしますが、「おすすめ=自分に最適」ではないことを頭に入れておきましょう。

「ランキング上位だったから」、「有名な人がおすすめしていたから」といった他者の基準で選定されたものは参考にはなりますが、その基準が自分に合っていなければ長期保有が難しくなる可能性もあります。

まずはご自身のリスク許容度を明確にしておきましょう。そして、参考にするサイトやSNSにおすすめの理由やポイントが書いてあれば、ご自身の投資意向と照らし合わせてみるのもいいですね。

■「インデックス投資信託」後悔しない選び方②「信託報酬」が高いファンドを避ける

投資信託には、通常「買う時・運用中・売る時」に手数料が発生します。つみたてNISA(2024年~つみたて投資枠)の対象商品は、買う時の手数料がかからない「ノーロード」となりますので、運用中と売る時にかかるコストに注目しましょう。

このうち、運用中にかかるコストとなる「信託報酬」は、運用期間中に毎日、運用資産から差し引かれていくものです。

例)運用中の資産10万円・信託報酬0.5%の場合

10万円✕0.5%(税抜)÷365日=1.36円(信託報酬)

1日あたり約1.4円が運用中の資産から差し引かれます。

運用期間中「ずっと」かかる信託報酬が運用利回りより高いと資産が増えないため、類似するファンドがあれば信託報酬がより低いものを選ぶと良いでしょう。

ただし、つみたてNISAにおけるインデックス投資信託の信託報酬は、金融庁によって以下のように上限が定められています。

  • 国内資産を対象とする場合:0.5%以下(税抜)
  • 海外資産を対象とする場合:0.75%以下(税抜)

比較的低コストではありますが、10年、20年と長期で投資し続けるものですので、信託報酬にも注視してファンドを選びましょう。

■「インデックス投資信託」後悔しない選び方③「超」保守的なファンドを避ける

リスクを避けたいがゆえに、低リスクにこだわりすぎると運用そのものが「超」保守的になり、リターンを得られないかもしれません。

リスクとリターンの関係はイコールです。5%のリターンを望むのであれば、5%の損失を覚悟しなければいけません。

リスク許容度に正解・不正解はありませんが、低リスク過ぎると信託報酬を上回る運用成果を得られない可能性もあります。ご自身のリスク許容度を再考してみても良いでしょう。

また、保守的過ぎるファンドでは、利益が小さく、NISAの最大のメリットである「非課税」を最大限に活用することができません。

つみたてNISAを利用した投資額だけにフォーカスせず、ご自身の資産全体を見てみましょう。「リスクを一切とらない資産」、「超低リスクの資産」、「少しリスクをとる資産」というように預貯金やその他の資産全体とバランスをとることをおすすめします。

■「インデックス投資信託」後悔しない選び方④一国に集中したファンドを避ける

「日本の株式」、「米国の株式」というように投資対象が一国に集中したファンドは、シンプルで分かりやすい一方で、リスクを1つの国に委ねることになります。

日本株式が良好な年もあれば、米国株式が良好な年もある、というように投資の世界は特定のものがずっと右肩上がりというわけにはいきません。

安定的な運用を求める場合には、投資対象国が複数に分散されたものを選ぶと良いでしょう。

ただし、投資対象国によってはリスクがやや高まる可能性もあります。どの国に何パーセントくらい投資しているかといったデータは、投資信託の販売資料や目論見書、運用レポート等で確認しましょう。

判断が難しい場合には、NISA口座を開設している金融機関に相談してみると安心です。

自分基準で選んだファンドで一喜一憂せず長期運用を

長い運用期間中には「増えている時・減っている時」があるため、その度に一喜一憂するかもしれません。

中には、損失に耐えられず投資自体をやめてしまう方もいます。しかし、積立投資は「長期運用」を目的とした資産運用です。

減っている時=価格が下がっている時には、投資信託を安く購入して価格を平準化する効果もあります。また、積立投資は、毎月コツコツ積み立てながら運用を継続することで、複利効果により効率良く資産を増やす期待があるものです。

投資を継続していくためには、投資方法や投資商品を「自分基準」で決めることが重要です。

本記事でご紹介した4つのポイントを参考にしながら、ご自身の投資意向に適したファンドで資産運用を行いましょう。

参考資料

和田 直子