年収から購入する物件の価格を決める方法
前述したように仮に年収が600万円であれば、住宅ローンの年間の返済額は120万円以下(毎月の返済額10万円以下)に抑えておきたいところです。
そこでkeisanの住宅ローンシミュレーションを使って、毎月の返済額から借入金額の目安を調べてみましょう。
- 毎月返済額 10万円(ボーナス返済額 なし)
- 金利(年利) 1.720%(フラット35 返済期間21~35年の場合 2023年8月現在)
- 借入期間 35年
この場合の借入金額の目安は3150万円、総返済額は4200万円になります。
またこのことから、自己資金(頭金)が500万円であれば3650万円の物件、1000万円であれば4150万円の物件を比較的無理をしない範囲で購入できることがわかります。
ちなみに同じ条件で「年収600万円」の人のローンを試算してみると次のようになります。
- 年収 600万円
- 返済期間 35年
- 返済方法 元利均等返済
- 金利(年利) 1.720%
この場合の借入可能額の目安は4670万円になりますが、毎月の返済額は約14万8000円になってしまうので、返済は決して楽ではありません。(年間の返済額≒年収の30%)
したがって銀行で借り入れできる限度額いっぱいまで借りるのではなく、余裕を持った返済計画を立てることが大切になります。
住宅ローンの年収倍率はどれくらい?
住宅ローンと年収の関係を示す指標には、前述した「返済負担率」のほかに「年収倍率」があります。
年収倍率とは住宅ローンの借り入れ金額が年収の何倍なのかを示すもので、「2022年度フラット35利用者調査」によると全国の注文住宅、土地付き注文住宅、建売住宅、マンションの融資利用者の年収倍率はそれぞれ6.9、7.7、6.9、7.2となっています。
住宅ローンはライフプランも考慮して
住宅ローンを組むことは、その後のライフプランに大きく影響します。
フラット35利用者調査によれば、年収の7倍程度の家を購入する人が多いとわかります。
ライフプランは人によって異なるので、住まいに対する要望やこだわりだけでなく、住宅ローンの月々の返済額なども考慮に入れて、自分にとって最適な住宅の購入を検討することが大切です。
参考資料
亀田 融