1.【50歳代世帯】平均貯蓄額は「1000万円超」中央値は？
さっそく、50歳代世帯の金融資産保有額を見てみましょう。
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和4年調査結果」よると、50歳代の金融資産保有額の平均は1253万円です。
50歳代を含む、20～70歳代の金融資産保有額の平均値・中央値を見てみましょう。
1.1【20～70歳代別】二人以上世帯の貯蓄額（平均・中央値）
- 20歳代：平均：214万円・中央値44万円
- 30歳代：平均：526万円・中央値200万円
- 40歳代：平均：825万円・中央値250万円
- 50歳代：平均：1253万円・中央値350万円
- 60歳代：平均：1819万円・中央値700万円
- 70歳代：平均：1905万円・中央値800万円
※金融資産非保有世帯も含む
全ての年代で平均値と中央値に大きな乖離がみられます。貯蓄額は世帯によってばらつきが大きいため、データを小さい順に並べてちょうど真ん中にくる「中央値」の方がより実態に近い数値といえるでしょう。
中央値を見ると、どの年代も1000万円には到達していないようですね。
しかし、年代が上がるごとに金融資産保有額は上がっています。50歳代から60歳代にかけてはやや大きく平均・中央値ともに増えていますね。退職金の受け取りも大きく影響していると考えられます。
50歳代の金融資産について、少し深掘りしていきましょう。
2.【50歳代世帯】貯蓄2000万円以上の世帯は18％
50歳代世帯の金融資産保有額の金額別の分布は以下の通りです。
2.1【50歳代世帯】貯蓄分布
- 金融資産非保有：24.4％
- 100万円未満：9.3％
- 100~200万円未満：5.8％
- 200~300万円未満：4.2％
- 300~400万円未満：5.1％
- 400~500万円未満：3.2％
- 500~700万円未満：5.0％
- 700~1000万円未満：5.7％
- 1000~1500万円未満：8.8％
- 1500~2000万円未満：6.0％
- 2000~3000万円未満：7.2％
- 3000万円以上：10.8％
- 無回答：4.6％
50歳代の貯蓄額平均は1253万円・中央値350万円ですが、貯蓄額ごとの分布を見ると、最も多いのが金融資産非保有、つまり貯蓄ゼロの24.4％です。
かつて話題となった「老後2000万円問題」の2000万円をクリアする世帯は18％。50歳代の貯蓄事情は二極化しているようです。
貯蓄額に関わらずお金に関することは、家族構成や収入、生活費などさまざまな事情があるため正解・不正解はありません。
しかし、原則65歳から始まる年金暮らしに向けて、貯蓄はあるに越したことはないでしょう。50歳代から老後資金の準備を始める方に、特に意識して取り組んでいただきたいことを3つご紹介します。
