2022年12月に厚生労働省が発表した統計結果によると、公的年金の受給者は2021年度末時点で7698万人。
前年の2020年に比べて33万人の増加となっています。
つまり、年金受給者は毎年増加しているため、年金収入のみで生活する高齢者が今後も増加することが予想されます。
仕事と子育てが一段落した高齢者の方の中には、新たな「セカンドライフ」を求めて、住まい探しを始める方も多いでしょう。
しかし年金収入だけの高齢者は、希望の賃貸物件に住めないケースもあります。
2023年7月3日株式会社R65が公表した「高齢者の住宅難民問題」に関する実態調査によると、高齢者の4人に1人以上が、年齢を理由とした賃貸住宅への入居拒否を経験したことがわかりました。
そうなれば、新たなセカンドライフが台無しになりますよね。
そこでこの記事では、高齢者が賃貸物件に住むメリットデメリットや、年金収入だけで賃貸物件に住む3つのポイント、年金収入のみの高齢者におすすめの3つの賃貸物件を紹介します。
※編集部注:外部配信先では【一覧表】などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
年金の仕組み
日本の公的年金には以下の2種類があります。
年金の仕組みをあらためて理解しておきましょう。
●国民年金
国民年金には、以下のような特徴があります。
【20歳から60歳までのすべての国民が加入する年金】
- 第1号被保険者…自営業者やフリーランスが加入
- 第2号被保険者…公務員や会社員が加入
- 第3号被保険者...第2号被保険者に扶養される配偶者が加入
●厚生年金
厚生年金の特徴は以下の通りです。
- 第2号被保険者が国民年金に上乗せして加入する年金
厚生年金は、働いていたときの報酬額に応じた等級で受給額が決まるため、国民年金のみの第1号被保険者と比べれば、将来受け取れる年金受給額が大きく変わります。
自身の受給できる年金額を把握することで、賃貸物件を探すときの予算や、無理なく払える家賃額を知ることが可能です。
高齢者が賃貸物件を借りるメリット2つ
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賃貸物件の特徴は、高齢者にとって「快適な暮らしが実現しやすい」という点です。
ここでは、高齢者が賃貸物件を借りるメリットを2つ解説します。
1. 家の管理がいらない
持ち家の場合、以下のような管理費用や修繕費用は基本的に所有者負担です。
- 雨漏れによる瓦の取替工事
- シロアリによる建物修繕費用
- 外壁の塗装工事
- 庭の草刈り費用
- 固定資産税
しかし賃貸物件の管理費用や修繕費用は、基本的に大家負担となります。
そのため、金銭面での負担が軽減されるのが特徴です。
ただし、故意に室内の設備を壊したり、契約上、庭の管理を借主で行う場合以外は、借主で管理する必要があるため覚えておきましょう。
2. 住み替えしやすい
家を購入した場合、以下のような理由から住み替えが困難になりがちです。
- 家の売却手続きが必要
- 家の売却にかかる税金や諸経費などの金銭的な負担が必要
しかし賃貸の場合、以下のようなトラブルに巻き込まれても、比較的住み替えやすくなります。
- 近隣とトラブルになった
- 近隣で事故や事件があった
持ち家よりも引っ越しが容易なため、快適な暮らしを保ち続けることができるでしょう。
高齢者が賃貸物件を借りるデメリット2つ
賃貸物件にはメリットがある一方で、高齢者だからこその特有のデメリットがあります。
1. そもそも高齢者を敬遠する大家もいる
賃貸物件によっては、借主の年齢制限があります。
なぜなら、高齢者を入居させたくない以下の理由があるからです。
- 滞納リスクがあるから
- 認知症になるリスクがあるから
- 孤独死などの死亡リスクがあるから
年金の支払いは、2ヶ月に1回(偶数月の15日に支払い。15日が土日祝日の場合は直前の平日)振り込まれるのが一般的です。
そのため、毎月必要な家賃の支払いを滞納してしまう恐れがあります。
さらに認知症で近隣住民に迷惑をかけたり、孤独死などの死亡リスクが高いのも高齢者NGの理由の1つです。
2. 年金生活に家賃が負担となる
持ち家の場合、住宅ローンの支払いが完了すれば、月々の出費がなくなります。
しかし、賃貸の場合、住んでいる限り家賃を支払い続けなければいけません。
特に年金収入が少ない場合、毎月の家賃が大きな負担となります。
賃貸物件を検討している方は、資金計画をしっかりと立てておきましょう。
年金収入だけで賃貸物件に住む3つのポイント
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年金収入だけで快適な賃貸物件に住むためには、ここで解説する3つのポイントをしっかり押さえておきましょう。
1. 高齢者歓迎の賃貸物件を選ぶ
前述したように、賃貸物件によっては高齢者を敬遠している物件もあります。
しかし、高齢者を歓迎している賃貸物件もあるため安心です。
賃貸物件探しを行うポータルサイト内で「高齢者歓迎」「高齢者相談」をチェックして検索すると、高齢者向けの物件がヒットします。
そして気になる物件があったら、掲載している不動産会社に問い合わせて相談してみましょう。
2. 身内の連帯保証人をつける
年金収入だけで賃貸物件に住む2つ目のポイントは「仕事をしている子どもや身内を連帯保証人として賃貸契約を行う」という方法です。
現役で働いている連帯保証人をつけることで、万一の事態が発生しても管理会社や大家さんは安心です。
- 借主が家賃を払えない場合、連帯保証人に家賃請求ができる
- 近くに連帯保証人が住んでいれば安否確認をしてもらえる
また、連帯保証人付きの契約にすることで自分自身も安心です。
家賃を払うのは当然ですが、万一家賃が払えない場合でも、信頼できる連帯保証人なら家賃の滞納の心配が軽減します。
連帯保証人は、子どもや親戚など信頼できる人に任せましょう。
3. 家賃債務保証を利用する(高齢者住宅財団が行う制度)
3つ目のポイントは、家賃債務保証を利用することです。
家賃債務保証とは、身内の連帯保証人がいない人や、訳あって身内に連帯保証を頼みたくないなど、連帯保証人の確保が困難な場合に加入する家賃保証のことです。
詳しい条件などは【一覧表】の通りです。
この制度は、借主が万が一家賃を滞納しても、保証会社が借主の代わりに大家さんに家賃を立て替える制度です。
つまり、家賃債務保証制度はいわゆる「連帯保証人」に近い役割を果たす制度と言えます。
年金収入の高齢者に適した物件に住もう(まとめ)
年金収入しかない高齢者でも、快適な物件に暮らすことは十分できます。
そのためにおすすめなのが、年金収入のみの高齢者が暮らしやすい以下のような物件です。
- バリアフリー付きの賃貸物件
- サービス(食事など)付き高齢者向け住宅
- 高齢者向け賃貸物件
自分自身の生活スタイルに合わせた物件に住んで、快適な生活を送りましょう。
参考資料
岩井 佑樹