2022年4月より年金繰上げ受給の減額率の見直しが行われました。

繰上げ受給したときの減額率が1ヶ月あたり0.5%から0.4%へと変更されたため、繰上げ受給を検討している人も多いかもしれません。

しかし、年金の受給開始時期は長期のライフプランを見据えたうえで決める必要があります。

ここでは、2023年7月28日に公表された60歳時点での平均余命から、「繰上げ受給の損得」を考えていきましょう。

1. 年金の繰上げ受給とは?

老齢基礎年金と老齢厚生年金は原則65歳から受給が開始されますが、希望すれば60歳~65歳までの間に年金の受け取りを開始できます。

これを「繰上げ受給」といい、「60歳で定年を迎えるため65歳まで収入がない」という人や、「60歳から給与が減るので不足分を年金で補填したい」という人に便利な制度です。

ただし、繰上げ受給を行った場合、1ヶ月あたり0.4%の年金額が減少され(最大24%)、その減額率は生涯変わることがありません。

そのため、「減額してでも早く年金を受け取るかどうか」という点は慎重に考える必要があります。

なお、1962年4月1日以前生まれの人については、減額率が0.5%(最大30%)となります。