コロナの行動規制が解除されて最初のお盆を迎えました。
今年のお盆休みは、今まで抑えられていた需要が爆発し、財布の紐が緩む方が増えたかもしれません。
しかし、コロナ前と決定的に違うのはこの1年、急速に物価が上昇しているということです。
自分にとっては多くのお金を使ったつもりが、コロナ前ならば同じ金額でもっと満足度が高かったのではないかと考える方がいらっしゃるかもしれません。
8月15日は、2023年度の2回目となる厚生年金と国民年金の支給日でした。
今回は3年ぶりの年金増額とあって、注目している方も多いでしょう。
実は、夫婦で年金「合計26万5000円」というケースは決して珍しくありません。どんな夫婦であればこの金額が受け取れるのでしょうか。
くわしく見ていきましょう。
1. 厚生年金と国民年金のしくみ
8月15日に支給された年金は、国民年金から支給される老齢基礎年金と、厚生年金から支給される老齢厚生年金です(障害年金や遺族年金などもありますが、今回は上記の2つで考えます)。
この2つの年金は、図のように2階建て構造となっています。
1.1 国民年金(1階部分)
- 加入対象:原則として日本に住む20歳から60歳未満の方
- 保険料:一律(年度ごとに見直し)
- 年金額:納付期間によって決定。2023年度の満額は月額6万6250円(67歳以下の場合)
1.2 厚生年金(2階部分)
- 加入対象:主に会社員、公務員など
- 保険料:報酬比例制
- 年金額:加入期間や納付保険料により決定
国民年金では一律の保険料を納めるため、「未納や免除の期間」によって受給額に個人差が出ます。
これに対し、厚生年金では報酬比例制の保険料を納めるため、加入期間や当時の年収などで受給額に個人差が出る仕組みです。
2. 国民年金と厚生年金が3年ぶりに増額へ
厚生労働省によると、2023年度の年金額は3年ぶりの増額となりました。
- 国民年金(老齢基礎年金):6万6250円(1人分)※1
- 厚生年金:22万4482円(夫婦2人分※2)
※1 2023年度の既裁定者(68 歳以上の方)の老齢基礎年金(満額1人分)は、月額6万6050円(対前年度比+1234 円)
※2 平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準
2階部分である厚生年金の上乗せがあるかどうかで、受給額の水準が変わります。
実際に支給された年金額として、直近データを知ることができるのは厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」です。
2021年度末時点では、厚生年金の平均が14万3965円(国民年金を含む)、国民年金の平均が5万6368円でした。
やはり国民年金だけだと、受給額は心もとない金額と言えます。
しかし、国民年金だけの受給でも「夫婦で合計26万5000円」が受け取れた世帯があります。詳しく見ていきましょう。