一方、エスプレッソ1杯(30cc≒30グラム)の豆量は10グラム程度と言われています。一杯350円として、エスプレッソのコーヒー豆量1グラム当たりの価格は35円。一方、缶コーヒーは1グラム当たり100円ですから、豆量で比較すれば缶コーヒーは本物のコーヒーよりも3倍も高いことになります。

コンビニのカウンターコーヒーにしても、スタバやタリーズにしても、値段が高いと感じるかもしれませんが、実際は缶コーヒーの方が全然高いというわけです。しっかり稼ぐファンドマネジャーはちゃんと計算しているのです。もちろん缶コーヒーの価格には、宣伝費もバッチリ含まれていることも。

缶コーヒーのテレビコマーシャルをばんばん打って売り上げを増やし、業績好調で株価が右肩上がりの飲料メーカーの株式を買うかもしれないファンドマネジャーが絶対缶コーヒーを飲まないというのは、皮肉ではありますが、冷徹な判断の結果なのです。

太田 創(一般社団法人日本つみたて投資協会 代表理事)