今年の夏は暑く、気象庁のデータによると各所で35℃以上の猛暑日を記録しています。

電気代が高騰する中、食品や日用品などの値上げも止まりません。

このような現状ではなかなか貯蓄が進まないという世帯も多いのではないでしょうか。

一時期メディアで「老後2000万円問題」が取り上げられ大きな話題となったことで、老後資金に対する不安が高まる中、70歳代までにどのくらい貯蓄をしているものなのでしょうか。

本記事では、老後を迎えた70歳代の貯蓄事情について解説していきます。

今からでも始められる、老後対策に有効な「3つのやるべきこと」も紹介しているので、老後を安心して送るための参考にしてください。

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70歳代の貯蓄額はいくら?「貯蓄4000万円以上」の安泰な人も

一昔前までの日本では、60歳代に定年を迎え、老後生活に突入するのが一般的でした。

現在は働くシニアが増えつつあり、60歳代でも現役で働いている人は多く存在します。

実際に総務省が発表した調査データによると、60〜64歳の71.5%、65歳〜69歳の50.3%が就労しています。

60歳代後半でも半数以上の人が就労していることから、現代では「還暦を過ぎたら退職して静かに暮らす」という老後生活をしている人のほうが少なく、70歳代以降から徐々に老後生活を迎える人のほうが多いのかもしれません。

では、70歳代以降から老後生活を始めると想定した場合、70歳代の貯蓄額はどのくらいになっているのでしょうか。

総務省統計局の家計調査によると、70歳代の貯蓄別の世帯数割合は【図表】のようになりました。

70歳以上の総世帯数が187万4554世帯となっており、そのうち「貯蓄4000万円以上」の割合は約18%。貯蓄割合の中でも最も高くなっています。

貯蓄2000万以上の世帯も含めると約42%となります。

一方で、貯蓄が100万円に満たない世帯は、全体の約8%を占めており、70歳代の中でも「貯蓄4000万円以上の安泰な人」と「貯蓄100万円未満の十分でない人」の二極化傾向にあることがわかります。

70歳代で「貯蓄4000万円以上」は安泰?

前章では、70歳以上の世帯のうち約18%が「貯蓄4000万円以上」だとわかりました。

一見、貯蓄が4000万円以上あれば「老後は安心」と感じてしまいますが、果たして本当に貯蓄4000万円以上の世帯は老後が安泰であると言えるのでしょうか。

結論からお伝えすると、受給できる年金額やライフスタイルによっては「安泰と言えない」ケースもあります。

たとえば、70歳二人暮らしの夫婦世帯が、下記の条件で90歳まで老後生活を送ると仮定します。

  • 貯蓄額:4000万円
  • 月々の支出費用:30万円
  • 年金受給額:厚生年金を受給(25万円を想定)

この場合、毎月の赤字は約5万円です。

赤字の補填を貯蓄からまかなう場合は20年間で約1200万円となるため、仮に介護費用やリフォーム費用がかかったとしても、安定した老後生活を送れる可能性が高いでしょう。

では、70歳二人暮らしの夫婦世帯が、下記の条件で90歳まで老後生活を送る場合はどうでしょうか。

  • 貯蓄額:4000万円
  • 月々の支出費用:30万円
  • 年金受給額:国民年金を受給(13万円を想定)

上記の場合だと、毎月の赤字が17万円となり、こちらも20年間、赤字分を貯蓄から切り崩すとなると、20年間で4000万円以上が必要です。

介護費用やリフォーム費用などを考えると、安泰とは言い切れません。

「貯蓄額が多い=老後は安心」というわけではなく、老後の収入額やライフスタイルによっては足りなくなる可能性もあるため、老後の収入と支出をしっかりと想定したうえで、貯蓄をしていけると良いでしょう。

今から始める「3つの有効な老後対策」とは

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Africa Studio/shutterstock.com

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前述したとおり、貯蓄額が多いだけでは「安泰な老後生活」が保障されるわけではありません。

では、老後の生活を豊かにするためには、どのような老後対策の準備を進めていくと良いのでしょうか。

今からでも始められる有効な老後対策として、下記3つが挙げられます。

  1. 生活支出と貯蓄に回せる割合を見直す
  2. 年金以外の収入源を確保する
  3. 老後資金を計画的に貯蓄していく

いずれも、老後生活の準備に有効な対策となっているため、ぜひ実践してみてください。

1. 生活支出と貯蓄に回せる割合を見直す

まずは、生活支出の見直しをすることが大切です。

50歳代以降になると、住宅ローンの目処が立ち始めたり、子どもも自立し始めたりすることから、お金に余裕が出てきます。

そこで必要以上に贅沢はせずに、老後に向けた生活支出の調整と、貯蓄に回せる割合を見直せると良いでしょう。

基本的な生活支出を抑えた生活を習慣化しておくことで、老後生活に突入し年金生活になったとしても、毎月の赤字分を抑えやすくなります。

2. 年金以外の収入源を確保する

定年後の老後生活の主な収入源は「年金」となり、年金だけで生活支出がまかなえない場合は、貯蓄から切り崩すことが多いです。

しかし、年金以外にも収入源があることで、貯蓄が十分でない人でも比較的安泰な生活が送りやすくなります。

とはいえアルバイトといった非正規雇用として働き続けるのは、身体的に厳しくなってくるケースも多いため、副業といった「自分のスキル」を活かして収入源を確保できると良いでしょう。

また、貯蓄とは別に、今の収入の一部を資産運用に回すことで「お金にお金を生み出してもらう」システム作りも大切です。

現在は、iDeCoやNISAといった少額からでも始められる投資があるため、少しずつ資産運用をしていくのもおすすめです。

3. 老後資金を計画的に貯蓄していく

最後は、老後に必要な資金を計画的に貯蓄していくことです。

老後に必要となる貯蓄額は、その人のライフスタイルや年金受給額によって異なってくるため、まずは老後の年金額や生活費用などをシミュレーションすると良いでしょう。

そのうえで、自身が老後生活をスタートさせた際に必要となる貯蓄額を明確にし、貯蓄を始められるのが理想です。

50歳代になるまでは、子どもの教育費や住宅ローンの返済などで、なかなか貯蓄に手が回りませんが、50歳代以降は徐々に余裕が出始め、貯蓄がしやすくなってくるため、そのチャンスを逃さずに計画的に貯蓄をしていきましょう。

老後に備えて計画的な資金準備を

本記事では、老後を迎えた70歳代の貯蓄事情について解説していきました。

70歳以上で貯蓄4000万円以上の世帯割合は約18%となりました。

平均額以上の貯蓄額があれば、老後も安泰と思ってしまいますが、受け取る年金額や毎月の生活費用によってはそれでも生活が苦しくなるケースもあります。

老後に安泰な生活を送りたいと思っている方は、老後対策に有効な「3つのやるべきこと」を参考に、老後を安心して送るための準備を今から始めてみると良いでしょう。

参考資料

太田 彩子