2. みんなはどのくらいの年収で子育てしているか
つづいて、児童のいる世帯の平均年収をみてみましょう。
同資料によると児童のいる世帯の総所得は745万9000円ですが、内訳の一部を抜粋すると雇用者所得は651万8000円、児童手当等は14万3000円となっています。
つまり、子育て世帯では、給料・賃金・賞与をあわせた勤め先からの収入(=雇用者所得)が平均600万台ということになります。
ちなみに、児童のいる世帯のうち母親が働いている世帯は、2019年時点で7割を超しています。
2004年の710万9000世帯から786万9000世帯と実数としても増加傾向にはあるのですが、子育て世帯そのものが大幅に減少しているため増加件数以上に急増している印象を受けますね。
このことから、子育て世帯の大半は共働きで年収600万を実現しているといえるでしょう。
母子世帯については、総所得306万円のうち、勤め先からの年収225万6000円、児童手当等30万1000円などを含んでり公的支援が比較的手厚めになっています。
3. 平均年収600万円台の子育て世帯。貯蓄と負債の厳しい実情
つづいて、日ごろは聞きたくても聞けない「子育て世帯の貯蓄と負債」の状況に迫ります。
貯蓄と負債について、それぞれの階級別 にくわしい金額をみていきましょう。
3.1 貯蓄編/児童のいる世帯(不詳をのぞく)
貯蓄がない‥11.6%
貯蓄がある‥84.4%
- 50万円未満:4.3%
- 50~100万円:4.9%
- 100~200万円:10.1%
- 200~300万円:8.1%
- 300~400万円:7.7%
- 400~500万円:4.4%
- 500~700万円:10.6%
- 700~1000万円:8.1%
- 1000~1500万円:8.7%
- 1500~2000万円:3.8%
- 2000~3000万円:4.6%
- 3000万円以上:3.9%
- 貯蓄あり貯蓄額不詳:5.3%
平均年収600万円台の児童のいる夫婦世帯のうち、「貯蓄がある」と答えたのは84.4%で、1世帯当たりの平均貯蓄額は723万円です。
3.2 負債編/児童のいる世帯(不詳をのぞく)
借入金がない‥38.9%
借入金がある‥55.8%
- 50万円未満:1.0%
- 50~100万円:1.2%
- 100~200万円:2.3%
- 200~300万円:1.9%
- 300~400万円:1.3%
- 400~500万円:0.8%
- 500~700万円:2.1%
- 700~1000万円:3.1%
- 1000~1500万円7.1%
- 1500~2000万円:7.7%
- 2000~3000万円:15.2%
- 3000万円以上:10.1%
- 借入金あり額不詳:2.0%
「借入金がある」と答えたのは55.8%で、1世帯平均1119万7000円となっています。
子育て世帯と比較して、高齢者世帯をのぞいた世帯では平均貯蓄額が1017万6000円、平均借入額は574万5000円のため不足の事態にもある程度対応する余力があるといえるでしょう。
一方の子育て世帯は、7割が共働きであり平均負債が平均貯蓄を上回る状況ですから、夫婦のどちらかが倒れた時には貯金があっても安心はできないと考えておく方がよいかもしれません。
ちなみに、少し意外かもしれませんが、母子世帯については平均貯蓄額が389万8000円に対し、平均借入金額は148万7000円と貯蓄が上回っているようです。