新NISAでは「つみたて投資枠」と「成長投資枠」が併用可能に

現行のNISA制度では、「つみたてNISA」と「一般NISA」は選択制でした。

現在つみたてNISAを利用している人の中には、「つみたて投資枠しか使えないの?」と考えている人がいるかもしれません。

しかし、新NISAでは「つみたて投資枠」と「成長投資枠」が併用できるので、投資先の選択肢が広がります。

出所:金融庁「新しいNISA」をもとにLIMO編集部作成

【新NISA】つみたて投資枠の注意点3つ

新NISAのつみたて投資枠を利用する場合は、以下の3点に注意しましょう。

  • 積み立てる商品を頻繁に変えない
  • 急落時に慌てて売らない
  • 商品を分散しすぎない
     

積み立てる商品を頻繁に変えない

「隣の芝生は青い」ということわざがありますが、投資信託でもほかの商品が良く見えるものです。

例えば、自分が保有している商品のパフォーマンスが落ちていると、値上がりしている商品に乗り換えたくなってしまうことがあるかもしれません。

しかし、積み立てる商品を頻繁に変えてしまうと、長期投資による複利効果が薄れてしまいます。

積み立てる商品を頻繁に変えずに済むように、長期的に保有したいと思える商品を選ぶことが大切です。

急落時にあわてて売らない

保有商品の売却を考えてしまうタイミングの1つとして、「基準価額の急落」が挙げられます。

何らかの出来事によって株式市場が混乱すると、株価指数に連動する投資信託の基準価額も下落します。

「まだまだ下がってしまうのではないか」との思いから、積み立てをやめたり、保有商品を売却してしまうことがあるかもしれません。

しかし、長期投資のメリットは、価格が安い時に口数を多く購入することで、購入単価を平均化できる点です。

基準価額が急落してもあわてて売らず、根気強く積み立てを続けることが大切です。

 

商品を分散しすぎない

魅力的な商品はたくさんありますが、積み立てる商品を増やし過ぎるのはやめましょう。

投資先の分散によってリスクを抑えられますが、その分リターンが小さくなる可能性があります。

また、保有商品が増え過ぎると管理しにくくなってしまう可能性もあるので、数本程度にとどめておくのがよいでしょう。

そもそも、投資信託は複数の資産や銘柄に分散投資する商品です。もともと投資先が分散されていることを念頭に、長期間保有したい商品を厳選しましょう。

2024年からの新NISAに向けて運用の検討を

本記事で解説したように、新NISAへの移行手続きは不要です。ただし、金融機関を変更したい場合は早めに手続きを行っておきましょう。

また、新NISAでは「つみたて投資枠」と「成長投資枠」が併用できるので、どのように運用するかを今から検討しておくとよいでしょう。

参考資料

加藤 聖人